天井桟敷日記

「天井桟敷からの風景」姉妹版

約束の地カナンへ 完結篇

健太郎の日記 いざノアの方舟へ 決めてもたよサ高住。猪名川町の物件を一昨日ネットで見つけて14日に見学予約したけどネットで色々情報集めたらオモロさ昂まり、昨日の午後現地へ。応対してくれた方とも無口な俺が話し盛り上がり部屋もじっくり見分、冷蔵庫…

約束の地カナンへ その3

健太郎の日記 全ては仕事全ては遊び 施設見学行脚開始→昨日初体験/茨木豊川の住宅型老人ホーム。生活支援費66000円×2は今の我々2人の状態→介護には荷が重いなあ。しかし、リフト入浴見学有益、スタッフの皆さんが行き合うたびに挨拶してくれて気分良し。 …

約束の地カナンへ その2

事の起こりはこの商品→おひとりさま信託。 まず、専用のエンディングノートに、自分の死後にやってほしい死後事務を記入します。このエンディングノートは、三井住友信託銀行によって電子媒体として保管され、契約者が死亡した場合の死後事務の指示書となり…

約束の地カナンへ その1

美枝子の日記 ご縁=運命と自由 お母ちゃんもおばあちゃんも認知症やった。アルツハイマーは遺伝するんやね。一昨年、健康診断で血便→内視鏡で大腸ポリープ摘除したら何が理由かわからへんけど肺炎併発入院。入院してホームシックがあったんかなあ、情緒不安…

第6作「愛のレッスン」

健太郎の日記 自己愛と自尊心 今のマイブームはKindle読み放題とNHKオンデマンド。どちらも無料ではなくて有料いずれも月額980円。しぶちん俺にしては結構な出費だが、どちらもそれなりの見返りがあるので納得している。 Kindleを使って未明の読書→昼間はテ…

愛のレッスン 完結篇

健太郎の日記 オラは死んじまっただ あれから十年。俺は三年前に他界した、享年79歳。ちょっと早すぎたやんかあ、神さま。でも毎晩飲んでたもんなあ、糖尿で20日間入院、退院後しばらくは三拍子→飲酒しては二日休みが二拍子、遂には毎日/休肝日なしになって…

愛のレッスン その3

健太郎の日記 縦穴掘りの理由は死 女は横展開、男は縦穴掘りか。うまいこと言うやんか、美枝子のやつ、縦穴掘りのついでに俺のモットー「人を愛しても信じはしない」も言いたかったんやけどやめた。信じたら裏切られるというのもあるけど、信じたら信じられ…

愛のレッスン その2

美枝子と健太郎 横展開と縦穴掘り 自己愛と自尊心は異なるやて←また、屁理屈や。なんのことかようわからんわ、ウチ。人と自分を比べるから妬んだり恨んだりするんやて。そやけど人と付き合うたらその人と自分を比べるのは当たり前やん。この人アカンなとか凄…

愛のレッスン その1

健太郎の日記 自己愛と自尊心 今のマイブームはKindle読み放題とNHKオンデマンド。どちらも無料ではなくて有料いずれも月額980円。しぶちん俺にしては結構な出費だが、どちらもそれなりの見返りがあるので納得している。 Kindleを使って未明の読書→昼間はテ…

第5作「生はいとしき蜃気楼」

ロイホにて美枝子さーん、大変やったわねえ。ご主人元気?ありがと。血液検査120点やったと燥いでた。お見舞いに行かれへんでごめんね。ううん、コロナで面会禁止やもん。幸代さんの旦那は?元気元気。老人大学の世話人とかで毎日忙しいにやっとるわ。和子さ…

生はいとしき蜃気楼 完結篇

美枝子と健太郎の会話 いっつものことやけど、ええ加減にしてえなあ。なんやあ、これ。人生=生活(損得、好き嫌い、善悪、理非)+人生(苦楽、美醜、虚実)なんのこっちゃわからんわ。ウチはアホやねん。アホにもわかるような楽しい話をしなはれ。ウチらい…

生はいとしき蜃気楼 その3

健太郎の日記 生活と人生は違う 俺も定年退職後引きこもりになるつもりは全く無かったんよ。しばらくリハビリしてその後は混声合唱や俳句の会でおばさまたちとイチャイチャでもしようと思でたんやけど、ゴルトベルク変奏曲、平均律クラヴィーア曲集、グール…

生はいとしき蜃気楼 その2

美枝子の日記 高校時代はステキやったんやけどなあ。勉強も運動もできてウチらの憧れの的やったんや。思い切ってラブレター出して、健太郎が東京の大学に行ってからは遠距離恋愛。カラダ張ったでええ、ウチは。その甲斐あって27でめでたくゴールイン。幸せや…

生はいとしき蜃気楼 その1

ロイホにて美枝子さーん、大変やったわねえ。ご主人元気?ありがと。血液検査120点やったと燥いでた。お見舞いに行かれへんでごめんね。ううん、コロナで面会禁止やもん。幸代さんの旦那は?元気元気。老人大学の世話人とかで毎日忙しいにやっとるわ。和子さ…

第5作「生はいとしき蜃気楼」予告編

哲学小噺癖が治まらない。第4作「我が心の良くて」を発表したばかりなのにもう次回作「生はいとしき蜃気楼」構想に着手している。 このタイトルは偶々FBで出会った茨木のり子「さくら」の一節から頂戴した。 FBでたまたま知った茨木のり子「さくら」の一節。…

第4作「我が心の良くて」完結

利一の日記ええ経験したなあ。事の起こりはこの商品。 資産運用支援プラン対象商品と定期預金の同時お申し込みで、定期預金(スーパー定期・外貨定期預金)《3カ月》の金利を優遇いたします。ええっ!今時、定期金利が3%も付くんかいな。そやけど3ヶ月だけ…

我が心の良くて 完結篇

幸代の日記 あの頃は若かったなあ、ウチも。勉強もスポーツもできる利一に単純に憧れてラブレター出してもた。今思うと、目から火が出るほど恥ずかしいし、いや、腹が立つほど悔しいわ。なんであんなんを好きになってもたんや。損得と好き嫌いしか考えへん自…

我が心の良くて その3

スナック幸代にて利一さん、今日は飲み過ぎようるさい、俺は気分がええんや。あの❇︎信託銀行に勝ったんや俺は。本店に電話して出るとこに出るぞおお言うたら次長が頭下げて電話してきよった。はははは、銀行をいてこますオトコなんかおらへんやろもーう、今…

我が心の良くて その2

律子の日記あのおっさん、なかなかやるわねー。 証券・金融商品あっせん相談センター(略称:FINMACフィンマック)は、株や投資信託、FXなど金融商品の取引に関するトラブルについて、金融商品取引業者の顧客(金融商品取引の利用者顧客)からご相談や苦情を…

我が心の良くて その1

利一の日記ええ経験したなあ。事の起こりはこの商品。 資産運用支援プラン対象商品と定期預金の同時お申し込みで、定期預金(スーパー定期・外貨定期預金)《3カ月》の金利を優遇いたします。ええっ!今時、定期金利が3%も付くんかいな。そやけど3ヶ月だけ…

第3作「ロンリー・チャップリン」

泰彦の日記 予想もしなかった高血糖2週間入院を経て俺の生活習慣は変わった。まず、飲酒。毎晩多量飲酒が諸悪の根源とようやく思い知って休肝日設置、リズムは三拍子→飲んだら2拍は休肝を理想としつつも実態は二拍子。これでも大改革と胸を張っている。そ…

ロンリー・チャップリン 完結編

泰彦の日記 こんな夜中に目が覚めてもた。しようがないから小噺完結編を書いとる。昨夜はほんまは飲んだらアカン日やったのに飲んでもた。三拍子のリズム→飲む日一拍休肝日二拍が目標なのに二拍子が大抵や。 こんなくだらんことは読者には目障りなだけや閑話…

ロンリー・チャップリン その3

節子のメール 芳雄ぉお、ビックリしたわよ、突然のFBメッンジャー。あんた知っとんたんやね、ウチがFBにアカ登録してること。20年ぶりやねえ、懐かしくて甘酸っぱい思いがカラダ中に広がったわ。オンライン限定デート、ウチも賛成。あれから色んなことあった…

ロンリー・チャップリン その2

芳雄のメール 処女作第二作、読んだで。おまえらしい小噺やった。情景描写も人物描写もないから小説とは言えんけど、まあそれなりに考えたストーリーにはなっとる。今度は何を書くんや、期待せんと待ったるわ。ところで思たんやけど、人生には三つの事がある…

映画「楽聖ショパン」

Amazonプライムでオモロイ映画を見つけた。 ショパンの伝記を幾つか読んで知っている限りでは、この映画のエピソードの設定・順序・時代背景はメチャクチャです。各シーンに登場する曲も、製作年はまるっきり無視して、単にその場の雰囲気に最も合った曲をチ…

ロンリー・チャップリン その1

泰彦の日記 予想もしなかった高血糖2週間入院を経て俺の生活習慣は変わった。まず、飲酒。毎晩多量飲酒が諸悪の根源とようやく思い知って休肝日設置、リズムは三拍子→飲んだら2拍は休肝を理想としつつも実態は二拍子。これでも大改革と胸を張っている。そ…

第2作「和子の告白」完成

なんとか幸せ掴んだかなあ 高校以来の無二の親友、幸代の作戦に乗せられて成功^_^あの同学年会の夜、酔い潰れた龍彦を膝枕に乗せて、そのあと、行くところまで行ってしもたわ。もうこんな歳やからお互い、満足するデキではなかったけど欲を言えばキリがない…

和子の告白 最終回

龍彦の日記 大腸癌/ステージ4の告知を受けたときは目の前真っ暗。なんで俺が死ななあかんねん、せっかく初恋の女と幸せな二人暮らしを始めたばっかりやのに、神も仏もあるものか、もとから信じてもいないけど。 でも恨んだり呪ったりしても始まらへん。や…

和子の告白 その3

にもかかわらず笑え 明日ほんまに婚姻届を出しに行くの、ええん?ええんや、俺がこうなったからこそ行く。半年のお試し期間はまだ過ぎてないけどもうお試しは終わりや。ちゃんと形にしときたいんよ。お前もそれでええやろ? 同棲を始めて三ヶ月。龍彦と一緒…

和子の告白 その2

和子の告白 その2高校を卒業してウチは銀行に就職した。短大や大学など進学の道もあったんやけど、勉強はあんまり好きやなかったし、町の自転車屋を営んで懸命に働いているお父ちゃんの背中を見ていたので根っからの他人嫌い、チャラチャラした女子大生には…