第3作「ロンリー・チャップリン」
泰彦の日記
予想もしなかった高血糖2週間入院を経て俺の生活習慣は変わった。まず、飲酒。毎晩多量飲酒が諸悪の根源とようやく思い知って休肝日設置、リズムは三拍子→飲んだら2拍は休肝を理想としつつも実態は二拍子。これでも大改革と胸を張っている。
そして毎朝の日課30分ウォーキング含む10階までの上がり下り。BGMはいつも古楽の楽しみ録音平均律クラヴィーア曲集第2巻全曲。
これが飽きないんやなあ、いや、飽きないどころかポリフォニー、フーガを何回聴いても記憶→脳内イメージ形成できず、聴けばたちどころに曲名は×番嬰ニ短調と答えたいのにとてもとても。毎日こうして聴いてたらいつかは、というのが我が希望や。
今朝も平均律聴いてて愕然と思い到った。何故、平均律は飽きないのか、それは聴き手の想像力を刺激するからなんや。
精緻なポリフォニーの中の一音一音を聴き取ろうと努力しつつ曲の抽象的イメージを脳内に描く。このプロセスが想像力の働きなんや。
これに比べたらロマン派のシンフォニーなどは単純よ。所詮は対立、葛藤、闘争の音楽に過ぎへん。俺はもう聴き飽きた。バッハの音楽に単純な二元対立があったら挙げてみな。
ということで芸術の面白さは想像力喚起→受け手の責任。そやけど、送り手は受け手がどのように想像力を働かせるのか、そこをしっかり考えて作らなアカン。よし、これで第三作「ロンリー・チャップリン」にとりかかるぞ。
『アシガール』アンコール放送で再確認! 黒島結菜&伊藤健太郎の飛躍に繋がった重要作に(リアルサウンド) - Yahoo!ニュース
— 土曜日 (@doyoubi) 2020年7月5日
NHKオンデマンドで見始めたけど全然オモロない。想像力が全く刺激されへんかった。俺の想像力が歪なのかもしれんが。 https://t.co/o6knBIS4xB
芳雄のメール
処女作第二作、読んだで。おまえらしい小噺やった。情景描写も人物描写もないから小説とは言えんけど、まあそれなりに考えたストーリーにはなっとる。今度は何を書くんや、期待せんと待ったるわ。
ところで思たんやけど、人生には三つの事がある。
BSにっぽんの歌再生なう。中村美津子がひばりの歌「車やさん」を歌っているがどんなもんやろか。あ、今度は小林某「悲しい酒」、私の歌上手いでしょうと胸を張られてもなあ。芸事は純粋がいのち、仕事は結果第一、色事は…ようわからぬ。人生=仕事+芸事+色事。俺が芸事に傾くのも必然かも。
— 土曜日 (@doyoubi) 2010年7月12日
俺は芸事には全く縁がないし、仕事も早期退職に応じてケツ割りしたし辛うじて色事だけかなあ、もう二十年前になるけどあれは修羅場やった。ほんの遊びのつもりやったのにものの弾みはオソロシイもんや。
「なごやかな 、愛情にみちた情念は自分にたいする愛 [自己愛 ]から生まれ 、憎しみにみちた 、いらだちやすい情念は自尊心から生まれる」
— 土曜日 (@doyoubi) 2020年6月22日
—『NHK「100分de名著」ブックス ルソー エミール 自分のために生き、みんなのために生きる』西 研著https://t.co/HvZ8kQP9o9
あいつも俺も自己中自己愛やったもんなぁ。それでいて話しはオモロかった、一緒に暮らしたらさらにどんだけオモロイやろと欲を出したのが修羅場の素やったな。
足るを知る、おまえはそれがでけるよ。欲求不満酸欠になりそうやったら小噺で発散しなはれ。俺には芸事がないから精々相場や。CFDで含み損抱えて死ぬまでにはなんとかしたいわ。
是枝裕和「海よりもまだ深く」アマプラなう→樹木希林「男はなんで今を愛せないのかねえ、過去にしがみついたり未来の夢に取り憑かれたりして。それじゃあ不幸だよ、今を楽しまなくっちゃ」
— 土曜日 (@doyoubi) 2020年7月7日
←今を遊ぶばかりの俺→短歌旧作「二十年資本に仕え覚えたり全ては仕事全ては遊び」 https://t.co/ge0HtdYNhK
全ては仕事全ては遊び。たしかにそうやな。俺も仕事を遊びのように軽快に真面目に楽しんだらよかったな、ケツ割りせんでもよかったかも。
ところで、節子とヨリを戻したくなってもてん。もう二十年前の出来事になってもたけど、節子を未だに忘れられへんねん。オンライン限定デートのみやったらあんな修羅場再現はないヤロ。どない思う?
残り少なくなってくる時間を悔いなく楽しみたいんや。
節子のメール
芳雄ぉお、ビックリしたわよ、突然のFBメッンジャー。あんた知っとんたんやね、ウチがFBにアカ登録してること。20年ぶりやねえ、懐かしくて甘酸っぱい思いがカラダ中に広がったわ。
オンライン限定デート、ウチも賛成。あれから色んなことあった、話したいことようけあるねん。ほんまは顔を合わせて声も聞きたいんやけど行き過ぎは怪我の素、あんたのために我慢したるわ。健気やろ、ウチ。
中村洋子フーガの技法西村朗 - 天井桟敷日記
— 土曜日 (@doyoubi) 2020年7月11日
ヒーローを夢みる未来時間は既になく、振り返るべきロマン過去もなく、祝祭、ドラマももう沢山。とすれば残るは形式美=旋律+和声+対位法と愚考。そこで短歌旧作。
所有するなにものもなく愛恋の憶ひは持たず過ぎゆくは秋 https://t.co/U8OnxfVtsC
この短歌、あんたの友だちの泰彦さんの歌やったね。一度だけ3人で飲んだわね、楽しかった。日経歌壇で岡井隆が一等賞で取ってくれたって泰彦さん、自慢してはった。オトコはみんなコドモやねえ。
コドモといえば遠く離れて別居しているウチの旦那もそうや。読むもんいうたらスポーツ新聞だけ、そやからなあんにも話題があれへん、そんな酸欠のときにあんたとツィッターで出会た。誘惑したんはあんたやで、そやのに責任全うしてくれへんかった、この恨み、決して忘れへん。
あーあ、またこないしてウチは誘惑されかかってるわ。今度は責任とってな。オンラインデートの最初にきつうに言うとくからね。
泰彦の日記
こんな夜中に目が覚めてもた。しようがないから小噺完結編を書いとる。昨夜はほんまは飲んだらアカン日やったのに飲んでもた。三拍子のリズム→飲む日一拍休肝日二拍が目標なのに二拍子が大抵や。
こんなくだらんことは読者には目障りなだけや閑話休題、小咄を書くようになってから映画やドラマ更には音楽の楽しみ方が多少は変わった。書き手の気持ち立場で味わえるような気がしてきたんよ。世の中は様々、攻め手と受け手、加害者と被害者、オトコとオンナ、生きてる限りは色んな角度から愉しみたいもんな。
そういえば芳雄と節子。予想通りオンライン限定では済まなくてオフラインにまで突き進んで、また修羅場やっとるみたいや、だから言わんことやない、舞台に上がるとしんどい。舞台に上がりたくなってもぐっと我慢。俺は定年まで更には雇用延長五年、よう我慢した。
そこであの二人にロンリー・チャップリンしたろ。
人生は悲劇且つ喜劇 - 天井桟敷日記
— 土曜日 (@doyoubi) 2020年2月3日
チャップリン「人生は近くで見ると悲劇だが、遠くから見ると喜劇である」。遠くから見れば、人生は全て喜び、そして音楽は生きる歓び。老いと死へ向かって、何があってもどんなにめげても自分を遠くから見ることを忘れないでおこう。 https://t.co/m32kwxTqmr
喜寿過ぎて辿るは下り坂ばかり、ええことなんかあらへん、下向いてたらしんどいばかりや、そやから自分を遠くから眺めるように努めよう。
二千年前に生きたイエスと魂の対話なんてアホくさーと若干嫌気がさすような歌詞だが、これをイエス=希望と読み替えて、神の子イエスがこの世に現れたことこそ希望の根源的理由、イエスを信じることは希望を信じることと思えばアホらしさも相当無くなる。
つまり、どんな時にも死の間際にも私は希望を失わない宣言と読むのだ→おお、そうか、俺の短歌旧作
エロスより出でてエロスに環り来む意味を求めてめぐりし後に
エロス=希望と読み替えればいいのだ。希望こそ生きる理由=意味であった。そうそう、芳雄と節子の修羅場も希望をめぐる争いとも言えるけど。
ロンリー・チャップリン 鈴木聖美 & 鈴木雅之 https://t.co/sRFTdhJXNF @YouTubeより
— 土曜日 (@doyoubi) 2020年7月12日