天井桟敷日記

「天井桟敷からの風景」姉妹版

ジョー・ライト「アンナ・カレーニナ」

以前にも観た、うっすら記憶あり。

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アンナ・カレーニナ」はロシアの文豪トルストイの代表作を実写化した映画です。端的に言えば不倫に走ってしまった女性が行き着く先はろくなことがないというころを言っている作品です。確かにその通りでこの主人公の女性には全く同情できません。旦那さんも堅苦しい性格ではあるけれど、心の広い良い人だし可愛い息子だっているのに、なぜあんな我儘で自己中心的な男に惹かれ暴走してしまったのか全く理解できません。対して対照的な女性が出てきます。彼女は自分が愛することより愛されることを選び平穏な日々を送ることになります。この女性の方が「愛」を広い意味で捉えていて、「愛」に溺れることはありませんでした。主人公には共感はできませんが、作品を見終わった後、「同じ人間が同じ人間を裁くことはできないんだよ。」というトルストイの伝えたかったことが感じられます。どちらの女性もその人なりに人生を駆け抜けて生きていったのだと感じられます。でもやはり本当の「愛」がどういうものなのかを私たちは時に冷静に考えなければいけないなとも思う作品です。舞台、衣装は非常に凝っており、そちらの方面に興味がある方は見ておくべき作品だと思います。

http://eiga-watch.com/anna-karenina/

愛は独善であってはならぬ。参考→「マーラー 君に捧げるアダージョ」。マーラーもアンナも人生に人生以上のものを求めたのかも。

http://doyoubi.hateblo.jp/entry/2018/02/15/161239