天井桟敷日記

「天井桟敷からの風景」姉妹版

人生も芸の内なり花曇

ボロディンQショスタコ弦四全集、今朝は3番ヘ長調。これは力作だ。


第5楽章は、冒頭のチェロの旋律が増4度、増5度と連なるため、不気味でもののけじみているが、荒井氏のヴァイオリンからは少女が切なく身もだえするような音色が聴こえてきたり、第2番みたいな「戦争」にもなる。しかし最後には張り詰めた緊張感の中、静かなピアニッシモのかすかな和音を鳴らしながら第1ヴァイオリンがゆっくり沈みこんで消えていく。弓が弦から離れたときの静謐さはたとえようもなく無言の充足感に溢れていた。


どんな音楽かを文字にしたくてモルゴーアQライブレポートからコピペさせて貰った。虚無と諧謔ショスタコーヴィチの面目躍如だがその意味するところは不明、というのが我が感想だ。だからこそショスタコ研究せねばならぬ。



ところで40代の頃「人生も芸の内なり花曇」なる句をひねったことがある。真面目な性格の故か軽い鬱になってその対策。
仕事と思うから辛くなる、仕事と思うな、芸と思え、辛い仕事を面白くするのが芸人やないか。
この対策が効いたのかどうか判らぬままに自然治癒したけど、世の中にはもっと重い鬱もある。

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『ふざけんな、ふざけんな、みんないい思いしやがって』空前の藤井フィーバーに沸く将棋界、突然の休場を余儀なくされた羽生世代の棋士うつ病回復末期の“患者”がリハビリを兼ねて綴った世にも珍しい手記。

図書館から借りてまだ読書半分程度だが、うつ病も重くなると自殺願望が出るらしい。それに比べると我が鬱はかわいいもんだ。
人生に事は三つ→仕事、色事、芸事。ショスタコはこのどれにも長けていたと勝手に想像するが果たしてホントか、鬱にはならなかったろうか。