キリスト教徒はつらいよ
今朝の収穫はFMクラシックカフェ。
「交響曲 第9番 ニ短調」 ブルックナー作曲
(1時間08分15秒)
(管弦楽)ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
(指揮)カルロ・マリア・ジュリーニ
1988年デジタル録音。ヨーロッパ各国のレコード賞を受賞した名盤。たっぷりしたテンポとウィーン・フィルの質感がうまくかみあったとても美しい演奏です。
マーラー vsブルックナーで言えば圧倒的にマーラー派なのだが、最近、ブルックナーも耐えて聴けるようになった。とりわけ7、8、9番が聴けるな。
そこでクラシックカフェ録音謹聴→ジュリーニはテンポがゆったりしていて聴きやすく、なにより明るいのがいい←重いブルックナーは苦手なのだ。終楽章、明るく自然に美しく天上の喜びで終った。
ところで第一楽章を漫然雑念謹聴していて「もがいている」なる言葉が浮かんだ。そうか、これは神の前でもがいているんだ。もっと言うと神の沈黙に対してもがいているんだ。そこでブルックナー9番勝手なストーリー作出。
第一楽章 神の沈黙に私は悶える
第二楽章 神との対話。ああ神は声を発せられた
第三楽章 天上にて。神は私を赦された
てな具合。死んでもタダのゴミにはならないキリスト教徒はつらいよ。死んでも、最後の審判が待っているのだから。
それはさておきツイッターからジュリーニ演奏についての感想ピックアップ。
ジュリーニ/ウィーン・フィルのブルックナー交響曲第9番を聴いた。この巨匠ならではのカンタービレが光る、明るいブルックナーだった。だからといって、深みがないわけでもない。第3楽章の天上の音楽は、深い呼吸でコーダへ至る。粘着質とか遅いと言われるけど、全く違和感ない、感銘深い演奏。
— ヨッ❗️フム(#毎日名盤) (@Concert_Bayern) 2020年2月25日
ジュリーニボックスから
— れいにゃ (@reinya17) 2018年8月18日
ブルックナーの交響曲7.8.9番を聴きました。
どの曲の演奏も、ゆったりとウィーン・フィルの美質を活かして朗々と歌い上げ、しかも造形の厳しさも感じさせるとても立派な演奏です🎵
ウィーン・フィルもジュリーニも絶好調の演奏記録として、語り継がれるレベルと感じます🎵 pic.twitter.com/00JSMs0tQy
キュッヒルさんが仰っていたジュリーニとのブルックナー9番は恐らくこのコンサートの事かと。
— K.k (@KK58335831) 2018年6月3日
(レコード芸術に掲載されていた前田昭雄氏のインタビューより)
#クラシック音楽館 pic.twitter.com/Jmas0pgVJO
ベリオ/クラシックの迷宮
先週のクラシックの迷宮/私の試聴室はベリオ特集。
音楽評論家の片山杜秀が、驚異的な博覧強記を武器に、古今東西の名曲を独創的な視点で自在に論じる音楽番組。初心者からマニアまで、全てのクラシック音楽ファンの欲求を満足させる、濃密な60分です。
どこのどなたか知らないが番組をYouTubeにアップしてくれている。
クラシックの迷宮 ▽わたしの試聴室 ベリオ https://t.co/stPOtn9xZE @YouTubeより
— 土曜日 (@doyoubi) 2020年2月25日
面白かったのは
「“マドリードの夜の帰営ラッパ”の4つの版」
ボッケリーニ:作曲
ベリオ:編曲
これはだいぶ以前に下野竜也N響が定期で取り上げていて愉しんだ記憶がある→クラシックなまいにちさんの記事。
下野達也指揮NHK交響楽団のB定期(サントリーホール)で、
— 土曜日 (@doyoubi) 2020年2月25日
ボッケリーニ(ベリオ編):マドリードの夜の帰営ラッパ(ボッケリーニの4つのオリジナル版による)(1975) https://t.co/6UBsTFQOvq
そしてまたベリオ編曲フーガの技法/最終コントラプンクトゥス。
ベリオ作曲シンフォニアの一部も流してくれた。
第三部 - マーラーの交響曲第2番第三楽章を元に多種多様な曲をコラージュ[1]した楽章
よーし、これで現代作曲家ベリオに多少は近づけるなとSpotify探索→シャイーの演奏発見。
長年に渡ってベリオの作品を扱ってきたシャイーの最新録音。今回は、ベリオが複数の作曲家の作品を編曲したものを集めています。
ボッケリーニもフーガ の技法もブラームスCLソナタも入っている。
音楽=ヒロイズム+ロマンチシズム+祈り+祝祭+ドラマ
ヒロイズムにはもうんざり、ロマンチシズムにも飽きた。音楽は謎解き人生探究悦楽。明日はどんな音楽に出会えるやろか。
音楽=ヒロイズム+ロマンチシズム+形式美/祈り+祝祭+ドラマ
— 土曜日 (@doyoubi) 2019年10月4日
ヒーローを夢みる未来は既になく、振り返るべきロマン過去もない。祝祭、ドラマももう沢山。とすれば残るは形式美=旋律+和声+対位法と愚考。そこで短歌旧作。 https://t.co/U8Onxgd4Rc
以下、クラシックの迷宮のプレイリスト←3ヶ月経ったら消されてしまうからここにコピペしておかなくちゃ。
2月22日土曜 NHKFM 午後9時00分~ 午後10時00分
クラシックの迷宮 ▽わたしの試聴室
楽曲
「“ビートルズ・ソングズ”から“イエスタデイ”」
レノン&マッカートニー:作詞
レノン&マッカートニー:作曲
ベリオ:編曲
(ソプラノ)ソフィア・ブルゴス、(管弦楽)バーゼル交響楽団、(指揮)アイヴァ-・ボルトン
(3分07秒)
<SONY 19075982072>
「“マドリードの夜の帰営ラッパ”の4つの版」
ボッケリーニ:作曲
ベリオ:編曲
(管弦楽)バーゼル交響楽団、(指揮)アイヴァ-・ボルトン
(6分38秒)
<SONY 19075982072>
「“6つの初期の歌曲”から“春の朝”“ハンスとグレーテ”」
マーラー:作曲
ベリオ:編曲
(バリトン)ベンヤミン・アプル、(管弦楽)バーゼル交響楽団、(指揮)アイヴァ-・ボルトン
(4分13秒)
<SONY 19075982072>
「“シンフォニア”から 第3楽章」
ベリオ:作曲
(バリトン)ベンヤミン・アプル、(ボーカル・アンサンブル)エレクトリック・フェニックス、(管弦楽)ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団、(指揮)リッカルド・シャイー
(11分16秒)
<DECCA 425 832-2>
「クラリネットとピアノのためのソナタ 作品120第1」
ブラームス:作曲
ベリオ:編曲
(クラリネット)ダニエル・オッテンザマー、(管弦楽)バーゼル交響楽団、(指揮)アイヴァ-・ボルトン
(5分19秒)
<SONY 19075982072>
「“フーガの技法”BWV1080 から “コントラプンクトゥス19”」
バッハ:作曲
ベリオ:編曲
(管弦楽)バーゼル交響楽団、(指揮)アイヴァ-・ボルトン
(9分16秒)
<SONY 19075982072>
「ミッシェル」
レノン&マッカートニー:作詞
レノン&マッカートニー:作曲
ルイ・アンドリーセン:編曲
(ソプラノ)キャシー・バーベリアン、(ピアノ)ブルーノ・カニーノ
(3分20秒)
<CLASSIC OPTIONS CO-3505>
「“ビートルズ・ソングズ”から“ミッシェルⅠ”“ミッシェルⅡ”」
レノン&マッカートニー:作詞
レノン&マッカートニー:作曲
ベリオ:編曲
(ソプラノ)ソフィア・ブルゴス、(管弦楽)バーゼル交響楽団、(指揮)アイヴァ-・ボルトン
(5分14秒)
<SONY 19075982072>
クラシックは教養か娯楽か
FBで偶々佐村河内事件記事に接したのであの交響曲を指揮録音した大友直人検索。
『週刊文春』の記者から突然電話がかかってきました。佐村河内氏の耳が聴こえていること、ゴーストライターが作品を書いていたことなどを非難しながら、佐村河内氏の曲の演奏を続けてきた私にコメントせよということでした。
私は、自分ははじめから彼の難聴に関してはまったく興味がないことを述べ、ゴーストライターの件は音楽に限らずいろいろなジャンルで実際にたくさんの例があり、そのこと自体を問題化すると収拾がつかなくなることを冷静に指摘したうえで、「このことを記事にすれば週刊誌は部数が増えていいビジネスになると思いますが、誰も幸せにはならないからお止めになったほうがいい」と申し上げました。すると、この記者が求めていたような答えではなかったのでしょう。「わかりました。大友さんのコメントは出しません」と言って電話が切れました。
「誰も幸せにはならないからお止めになったほうがいい」というのが上手な反応だなあ、さすがは大友直人、昔この人がMCを務めていたFM番組を録音→カセットダビングしていたなあと思い出して更に思いが及んだのは最近話題の著書
この本の中でこんなエピソードが語られているようだ。
齋藤先生は私が高校に上がった年に亡くなられたので、3回くらいしかお会いしていないんですが、私の今の価値観や音楽への取り組み方に、大きく影響していますね。
齋藤先生は最初に母に会った時、こう言ったんです。
「お母さんね、息子さんを音楽家にするということは、河原乞食にすることなんですよ」
「河原乞食」という言葉はその時に初めて聞きましたが、実はこれは核心を突いた言葉です。つまり音楽には芸術や高尚な文化という側面もありますが、現代におけるポジションは、あくまでもエンターテイメントということ。今の日本のクラシック音楽界が忘れているものです。
「音楽家というのは河原乞食、芸人ですよ。そこをわかってますか?」と言いたかったんですね。齋藤先生は音楽の根本を的確に捉えていた方ですよ。
音楽家は芸術家ではなくて河原乞食、食っていけるかどうかわからない道。その覚悟はあるか、というのが齋藤秀雄が言いたかったことなのだろう。
それはともかくそこで思うのはクラシック音楽は教養かそれとも単なる娯楽なのか、ということ。そこでクラきこの皆さんに質問することにした。
さて俺の答えは、クラシック音楽は娯楽。教養だとすると張り合う気分になりそうだし勉強のために聴いてる訳ではないもんね。
しかし「娯楽」には商業主義手垢がついているので我が短歌旧作「穏やかなニヒリストあり絶盤も希望も持たず悦楽に生く」に倣って悦楽にする。更には音楽を聴きながら「この作曲家はなんでこんな曲を作ったんやろ」と雑念が催すので謎解きでもある。また、
フェイスブックのグループ「クラシックを聴こう」で 「クラシックをこよなく愛する理由はなんでしょうか?」質問投稿があったので
人生探究が趣味なのでその一環です。
生き甲斐は将棋音楽物理学脳と五感を鍛えては逝く
と答えてしもうた。答えてしもてから、そうか俺がクラシック音楽を好む理由は人生探究であったかと我ながら自覚。そしてまた、将棋も物理学も哲学も人生探究やったのかと気づいた。
も生かすべき。そこで俺にとってクラシック音楽は謎解き人生探究悦楽となった次第。
ということで、大友直人「クラシックへの挑戦状」ヤフーショッピングで衝動買いしてもたがな。図書館には在庫無いし送料無料やし今日は5の日で500ポイントも付くから。
雑念聴楽高島屋
2月決算株の権利最終日は2.26←明後日。高配当利回りかつ株主優待の株を探したら→高島屋。
新型肺炎騒動でまだまだ下がありそうだが明後日中には買って権利取得。利回りは2%ちょい。もっと魅力的なのは株主優待。
◎株主10%割引優待カード(×年2回)
・100株 … 1枚(利用限度額30万円)
・500株 … 1枚(利用限度額なし)
高島屋で30万も買う訳ないので100株で十分。そして買い物はネスプレッソ。
これを毎朝同居人ともども飲んでいるのでお得金額は年間5840円見込み。24円配当→分離課税後手取り2000円ほど。合計7800円リターン見込み←100株投資11万で総合利回り7%となる。
これは買いだな。肺炎もいつかは終わるだろうから遠い将来売却益もあるかも。
以上雑念聴楽現代曲。
▽コンテンポラリーを聴く3
ウィッテン現代室内楽音楽祭2019
近藤譲
「脱皮」 クララ・ヤンノッタ作曲
(16分57秒)
(演奏)ケルンWDR交響楽団
(指揮)ミヒャエル・ウェンデベルク
その他
バッハに聴く寛やかな心
昨日は予習たっぷりで小糸恵@いずみホール。
小糸恵は、2013年3月にバッハ・オルガン作品全曲演奏会Vol.2「鼓舞される心」公演で初めていずみホールに登場し、卓越した音色作りとダイナミックな表現力で感動的なバッハの音楽を届けました。その時から交友が続いていた故礒山雅芸術監督の突然の死を悼み、命日である2月22日にいずみホールのオルガンを奏でます。彼女の強い希望で、バッハ研究に尽くした故人へ贈るオールバッハ・プログラムを披露します。
ところが残念&勿体ない、少なくとも2回は寝落ちしてもた→前半最後のBWV535と後半最後BWV 538。
あまりに気持ち良すぎたのかそれとも昼寝が足りんかったのか。
そこで今朝は小糸恵の最新アルバム
その中でも、技術的にも芸術的にも非常に要求の多い、かつ色彩豊かに響かせることにできる作品が選曲され収録されています。
小糸が選んだ楽器は、それらを最も素晴らしく演奏することが可能な、オランダ、フローニンゲンにあるマルティニ教会のオルガンです
このアルバムには寝落ち聴き逃したBWV 535もBWV538も入っている。とりわけBWV535のフーガを予習していて「寛やかな心にならなあかん。いつまでも自分に拘るな。自然循環人生一回なのだから循環のひとつ→死ぬのは嫌だなどと餓鬼みたいなことを思うな」と閃いたのが思い出。
BWV 535 - Prelude & Fugue in G Minor (Scrolling) https://t.co/Ys23TVJXNc @YouTubeより
— 土曜日 (@doyoubi) 2020年2月22日
予習で閃いたのもライブで寝落ちしたのも何かのご縁。そうか、こうして生きているのも何かのご縁、死ぬのもご縁。キリスト教徒バッハに導かれて南無阿弥陀仏。
時節柄しゃあないけど
フェイスブック眺めていたら楽しみにしていた冨田一樹コンサート中止の知らせ。
イベント中止のお知らせ
— 土曜日 (@doyoubi) 2020年2月21日
新型コロナウイルス感染症拡大の状況を受け、参加者及び関係者の健康・安全面を考慮させていただき、以下のイベントの開催を中止することにいたしました。
●LICはびきの主催の中止イベント
2/29(土)冨田一樹レクチャーコンサート
自治体主催催しだからかなあ。そうそう今日の小糸恵@いずみホールは大丈夫かとホールHPを見たら
当ホールの主催公演につきましては、現時点では通常通り開催の予定です。 なお、今後の新型コロナウイルスの感染拡大の状況によりまして、変更させていただく場合 もございます。 また、貸館公演につきましても、主催者様のご判断により変更させていただく場合がござい ます。 各公演の最新状況につきましては、当ホールのホームページで随時ご案内を申し上げます ので、ご確認いただけますようお願い申し上げます。
https://www.izumihall.jp/pdf/20200221.pdf
よかったけど気分はミレー晩鐘
これ以上広がりませんように、中国は収まりますように。
精緻自然体ベネヴィッツQ
昨夜、フェニックスホール 。
ヤクブ・フィッシャー、シュチェパン・イェジェック(以上ヴァイオリン)
イジー・ピンカス(ヴィオラ)、シュチェパン・ドレジャール(チェロ)
スメタナ:弦楽四重奏曲 第2番 ニ短調
シューマン:弦楽四重奏曲 第2番 ヘ長調 作品41-2
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第15番 イ短調 作品132
前半のスメタナ、シューマン は予習甲斐あり否それ以上にライブはやはり眼でも愉しめた。
ベネヴィッツSQ。構築美を際立たせる驚異的なアンサンブルにはひたすら脱帽。速弾きでも微塵も崩れる気配すらなく、着地から次のフレーズまで神経が行き届く様は圧巻。これをおれは聴きたかったんだ!全員お化け級の奏者だったが、2nd Vn.Š.イェジェクが白眉。出るとこ引くとこ合わせるとこ全て完璧。
— さとりょー (@stry05_trp01) 2020年2月20日
この感想に同感。2nd Vn.Š.イェジェクがこの巧緻精妙アンサンブル の司令塔と見受けた←気配りアイコンタクト。
そして後半ベートーベンop 130イ短調。
第3楽章「リディア旋法による、病より癒えたる者の神への聖なる感謝の歌」と題された、最も長い楽章。
が白眉。生きててよかったあ、神かなんか知らんけどとにかく感謝と頭を垂れる。
終楽章も気張らずさらっと自然体。
アンコールを3曲も。
ベネヴィッツQをSpotifyで探したら、このシュルホフの曲あり。
エルヴィン・シュルホフ(1894-1942):5つの小品~弦楽四重奏のための(1923)
ベネヴィッツQ、ベートーベンアルバムSpotify期待。生きちょるだけでも丸儲け、長生きすればするほど神に聖なる感謝。