天井桟敷日記

「天井桟敷からの風景」姉妹版

固有=人間は普遍=神を夢見る

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カンタータBCJ巻16復習
Disc16
ライプツィヒ時代のカンタータ1723年③
第194番『こよなく待ち焦がれた喜びの祝いよ』BWV194 
第119番『主をほめよ、エルサレム』BWV119
野々下由香里,緋田芳江(S) キルステン・ソレク=アヴェラ(A) 櫻田亮(T) ヨッヘン・クプファー(Br) ペーター・コーイ (Bs)録音:1999年10月、2000年11月
どちらも祝祭カンタータ、とりわけBWV119はライプツィヒ市参事会交代式用の曲、トランペットが高らかに鳴りティムパニーが雷鳴のごとく響く。

バッハ=形式美+祈り+祝祭性

祝祭性は余分や、ヘンデルと変わらんやんか、バッハは形式美と祈りだけで十分やと思いつつ冨田一樹凱旋コンサート予習→オルガンに切り替える。最初の曲、G.ベーム:《天にいますわれらの父よ》 で、おお、内省的な音楽や、こういうのが好きやねん俺とわがネクラを改めて実感。

それでもなあ、バッハは雇われ音楽家、雇主参事会のご機嫌を取らんといかんかったんよ。だからゴマスリ祝祭音楽も作らねば。

そうやなあ。

経験=固有(損得、好き嫌い、善悪、理非)+普遍(苦楽、美醜、虚実)

人生=自力(損得、好き嫌い、善悪、理非)+他力(苦楽、美醜、虚実)

人生は、固有が普遍を夢見るプロセス。その普遍の果てが神(他力)なのかもしれない。

バッハが亡くなり、残された妻アンナマグダレーナは市参事会から十分な扱いをされず貧窮のうちに死んだという。実人生はあくまでその人の固有のもの、普遍=神に出会うのは実は幻。あなたは幻の私を愛したのよ。