亡母と人生方程式

健太郎の日記 亡母の思い出

親不孝なことに亡母の命日を覚えていない。享年75 、俺は二十歳の時の息子やから他界した時の俺は55 、今から17年前と算用はすぐできる。暑い夏やった。
自転車に乗ってて倒れた。知り合いから声をかけられて元気に返事をしてすぐやったとのこと。
連絡があって現場に行ったが救急で運ばれた後、病院が蘇生努力をしてくれたけど回復せず。急性心不全やった。

71の時に懸命説得して上京させ同居を始めた。姑と息子と嫁美枝子の三人暮らし。同居はなんとか上手く始まったがやっぱり折り合いがつかず、最後はハンガーストライキ状態。嫁がつくる食事は拒否、風呂も使わず福祉センターで入浴、食事も福祉喫茶。存在感があり、外では人気があったのが救いやった。

結果的に命を縮めさせたなあ。肥満且つ喫煙。そして嫁姑同居ストレスが心不全の引き金になったんやなあ。
当時俺も喫煙していて嫁が嫌がる。なんとかやめさせようとして「俺も止めるからお母はんも止めろ」と迫ってお陰で俺は禁煙成功。亡母は死ぬまでやめなかった。俺が今こうして健康なのは亡母のお陰、ありがとうお母はん。

もうひとつ亡母のお陰なのは我が得意の人生方程式。
「お母はん、あんたの人生は損得と好き嫌いだけやろ」と投げた言葉が天唾、我が身に振ってきた。損得と好き嫌い以外に人生、何があるんやと考え込んで捻り出したのが人生方程式。

人生＝世間（損得、好き嫌い、善悪、理非）＋魂（苦楽、美醜、虚実）

損得と好き嫌い以外の要素を善悪、理非、苦楽、美醜、虚実と洗い出して二次元展開→世間という横軸、魂なる縦軸に整理整頓。
以来、この方程式が気に入って横軸を自力、縦軸を他力などと書き換えたらりしたが今は生活軸、人生軸で安定固定ツイート。

哲学小咄第５作「生はいとしき蜃気楼」。タイトルはFB哲学サロンで出会った茨木のり子「死こそ常態 生はいとしき蜃気楼」から頂いた。
人生＝生活（損得、好き嫌い、善悪、理非）＋人生（苦楽、美醜、虚実）
生活は如才なく合理的に、人生は無分別に思い切り愉悦蜃気楼なり。https://t.co/Ggsj1e6LsY https://t.co/zkYbmF1hn2

— 土曜日 (@doyoubi) 2020年7月23日

俺が今こうして安楽健康に暮らせるのも母親のおかげ。お母はん、アンタより長生きするで。

幸代の呟き

健太郎、お母さんの写真ないのん？と訊いたら、母親が他界したのはスマホ以前なのでカメラロールに無いんやて。
見たいなあ、健太郎のお母さん。「人生は損得と好き嫌いだけ」なんて単純な真実やんか。単純な真実と存在感と愛嬌たっぷりのお母さん、ウチは好きやで。美枝子よりも上手いことやったるわ。