天井桟敷日記

「天井桟敷からの風景」姉妹版

100名著「エチカ」

100分de名著は毎週録画しているが今月はスピノザ「エチカ」。この本は入門書オンリーの俺にしては珍しく原典まで読んだ過去あり、けれど何にも覚えてないなあと思いつつ第一回。

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「エチカ」を直訳すると「倫理学」。つまりこの本は「人はどうやって生きればよいか」を問うた本である。それは、要するに「生きていく上で、「善い」「悪い」の区別をどうするかという問題だ。
http://www.nhk.or.jp/meicho/famousbook/82_ethica/index.html#box02
善悪は絶対的なものではなくて相対的。なるほどそうかと我が旧ブログを引っ張り出して「エチカ」読書感想文を見つけ出した。


存在論(真に実在するものは何か→神即自然である)
認識論(正しい知に到達するための認識はいかにあるべきか)
感情論(人の感情とは何か。感情の療法について)
価値論(善悪とは何か。自由について)
http://app.f.m-cocolog.jp/t/typecast/137526/133272/7065433
ほほお、ちゃんと理解しているではないかと自分褒め。そしてまた、


欲望・喜び・悲しみの三つが基本感情で、他の全ての感情はこれから導出される。例えば「愛は、外的な原因の観念をともなっている喜び」「憎しみは、外的な原因の観念をともなっている悲しみ」である。
 

そしてスピノザは感情の療法(感情の力学的抑制)を提唱する。感情は理性で抑えられない(我慢するな)。感情を抑えるには、それに反対的で、しかもより強力な感情によらなければならない。
そのためには、まず感情を明瞭・判明に理解することが肝要(理性知・直観知)で、その限りで感情は我々によって支配することが出来、受動感情(想像知に基づく感情)は能動感情(理性知・直観知に基づく感情)に変わる。
要するに、感情は自然の現れだから無理して抑制するな、広い視野に立てば能動的な感情に変わるということだ。つまりは悟りである。
http://doyoubi.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/4_13e6.html
などと悟りに至るロードマップまで示しているではないか。さあ、これで復習予習は出来た。今月の100名著、楽しみだ。