天井桟敷日記

「天井桟敷からの風景」姉妹版

ひたくれなゐの生ならずやも

ハーゲンQライブに向けてショスタコ弦四3番リマインド予習。
第1楽章はカリカチュアみたいな立ち上がりだが、第2楽章エンディングを聴いてこの曲、死を扱っているんだと思いつく。

そして誰の短歌だっけ「ひたくれなゐの生」なるフレーズがあったなあと検索→
「死の側より照明せばことにかがやきてひたくれなゐの生ならずやも」斎藤史、だった。226事件を起こして処刑された友を憶う歌だ。

ショスタコの曲は1946年。無数の人びとが無念にも生を全うできなかった大戦のあとだ。
死後の自分から照らせば生はひたくれなゐ。全うせないかん。

写真は昨日、ピアスタワーのそばに咲いていたくちなし。視覚障碍の若者と並んで五嶋みどりが弾いていた。
https://www.facebook.com/makoto.moriashita/posts/1398917190200374

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五嶋みどりQを聴く

f:id:doyoubi92724169:20170621061338j:image五嶋みどり、へレミアス・セルジャーニ―ヴェラスケス(以上ヴァイオリン)
ウェンホン・ルオ(ヴィオラ
マイケル・カッツ(チェロ)
ヒナステラ弦楽四重奏曲 第2番op.26
ドヴォルザーク弦楽四重奏のための「糸杉」B.152より
シューベルト弦楽四重奏曲第14番ニ短調D810「死と乙女」
http://phoenixhall.jp/performance/2017/06/20/6409/

フェニックスホール初見参→2F左翼席、混み合う予約電話の中でなんとか取れた席だがここからは五嶋みどりの顔は全く見えないなあ残念と思っていたらなんとみどり2ndで登場。お陰で呼吸合わせ等演奏オーラを味わえた。予習の成果もあり、とりわけヒナステラはその斬新な激しさを堪能。プログラムに曲目説明全く無く、後でネット検索→1958年の作品←戦争体験が背後にと勝手想像。

休憩後、みどりNPOアウトリーチ活動紹介、インタビュー。その後にメインのシューベルト、予想通り今度はみどり1stで登場。

しかし聴いてて弦四の厚み不足と所感。みどり2ndの方が分厚く聴こえたよ、みどり峰と他の山の高さのせいかなあ、いや俺の先入観耳のせいだな、席のせいもあるな等々。とにかくも五嶋みどりQオーラを楽しめてよかった。ヴィオラがよく鳴っていた、終演後長蛇サイン列のヴィオラ女性にブラバと声をかけてホールを後にした。

今日は五嶋みどりが楽器指導している子どもたちとの入場無料ロビーコンサートを聴きに行く。

https://www.facebook.com/GoToMidori.Japan/posts/1309382349155494:0

キリスト教と仏教の統一的把握

毎日曜朝、Eテレ「こころの時代」が唯識を全6回で取り上げている。先週は

こころの時代 シリーズ 唯識に生きる 第3回「唯識を“体得”する」
仏教の根本思想『唯識(ゆいしき)』。「この世の存在はすべて自分の心が作り出したもの」と考え、心のありようを積極的に変える実践を説く。瞑想をして心の奥深くに沈潜するヨーガを実践し、人の心のメカニズムを徹底的に観察し分析して打ち立てられたのが特徴だ。第3回は、『唯識』は単に言葉では言い得ない、ゆえに言葉を離れて、心と身からなる体全体で獲得するという意味の“体得”をしなければならないことについて学ぶ。
http://www4.nhk.or.jp/kokoro/x/2017-06-18/31/31494/2008283/
そこで、俺がテレビ画面を撮影したのがこの写真。子どもの頃からの疑問「何故、俺は俺なのか。何が理由で生まれて来たのか」のヒントになるもの。

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生まれて来た理由は無い乃至判らん→それでは余りにも愛想無しなので縁起とする、それが仏教。もともと無我なのだからそれでええやん。

この写真を眺めていて、仏教キリスト教を統一的に理解する屁理屈を思いついた。
神=縁起+菩薩
アニュス・デイ=神の子羊=キリストに帰依して無我→幸せになろうとするのがキリスト教
仏教はもともと無我なのだから修行して菩薩になれと説く。
ちょうどベクトルの方向が逆なのだ、キリスト教は神から人へ、仏教は人から菩薩へ。

そんなことを思いながら25日京都シティフィル合唱団マタイ初ライブ予習。

ルドルフ・ルッツ&バッハ財団管弦楽団、合唱団
即興演奏と通奏低音を熱心に研究していたルッツは、マタイ受難曲にもその成果を導入、エヴァンゲリストのレツィタティーヴォを伴奏するチェンバロが自由な即興演奏になっていたり、コラールの間奏にチェンバロ・ソロが組み込まれるなど、マタイ受難曲の解釈に新風を吹き込んでいます。
http://www.hmv.co.jp/artist_バッハ(1685-1750)_000000000002339/item_マタイ受難曲 ルドルフ・ルッツ&バッハ財団管弦楽団(3CD)_5921107

神=縁起+菩薩では抽象的→そこでキリストの受肉と受難なるドラマを編み出したのがキリスト教。お陰でバッハをこんなに愉しめる。仏教キリスト教もバッハも人類の叡智、おお、神は叡智であった。

モーツァルトの死生観

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昨日の阪大ワンコインコンサートで知ったモーツァルトの手紙。

ドン・ジョヴァンニ」の作曲を開始したとほぼ時を同じくして、ザルツブルクでは父レオポルトが病に倒れた。これを知らされたモーツァルトはレオポルトに4月4日付で自分の死生観を織り込んだ書簡を発信するのである。
《あなたご自身から快方に向かっているという安心の手紙をぼくがどれほど切望しているか、お伝えするまでもないでしょう。常にぼくはあらゆることに最悪を想定することに慣れてはいるのですが。 死は(厳密に言えば)ぼくらの人生の真の最終目標ですから、ぼくはこの数年来、この人間の真の最上の友とすっかり慣れ親しんでしまいました。その結果、死の姿はいつのまにかぼくには少しも恐ろしくなくなったばかりか、大いに心を安め、慰めてくれるものとなりました!そして、死こそぼくらの真の幸福の鍵だと知る機会を与えてくれたことを(ぼくの言う意味はお分かりですね)神に感謝しています。ぼくは(まだ若いとはいえ)ひょっとしたらあすはもうこの世にはいないかもしれないと考えずに床につくことはありません。でも、ぼくを知っている人はだれひとり、ぼくが不機嫌だとか悲しげだとか言えないでしょう。そして、この仕合わせを毎日ぼくは創造主に感謝し、隣人のひとりひとりにもそれが与えられるよう心から祈っています。(中略)ぼくがこの手紙を書いている間にも、あなたが快方に向かわれるよう願い望んでいます。》
★この手紙がモーツァルトが父レオポルトに宛てた最後の手紙となったのである。尚、この手紙に記述されている死生観はフリーメイソンの思想から来ているとされている。
http://amadeusplace.blog.so-net.ne.jp/2010-10-07

「死こそぼくらの真の幸福の鍵」とは凄い言葉だ。コンサートは「橋本 京子ピアノリサイタル:モーツァルトの影の世界」
https://sites.google.com/site/concertb252/2017niankonsatosukejuru/hashimotokyoko2017
と題するものでモーツァルト短調の曲に影の世界を聴こうというもの。聴いてて山上憶良「世間(よのなか)を憂(う)しとやさしと思へども飛び立ちかねつ鳥にしあらねば」を想起した。

凡人にはモーツァルトのような死生観は持てないがせめてモーツァルトの明るく楽しそうな音楽の中に影を聴き取るようにしよう。飛び立ちかねつモーツァルトを聴き直すきっかけにしたい。

 

バッハクライス神戸←カンタータ初ライブ

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昨日はカンタータ初ライブ←バッハクライス神戸@神戸栄光教会←兵庫県庁のすぐそば。

バッハクライス神戸は、ヨハン・セバスチャン・バッハカンタータを中心としたバロックの声楽曲・器楽曲を演奏するグループです。活動はオーケストラとコーラスが一体で行っており、メンバーは専門家からアマチュアまで広く在籍しています。
http://bach-kreis-kobe.music.coocan.jp/
という団体。Vnちょっと弱いかなと思う時があったが、一昨日ライブ→テレマン室内オーケストラに肩を並べる水準と評してもいい。
演奏曲目は

Christ unser Herr zum Jordan kam われらの主キリスト、ヨルダンの川へ来たれり BWV7
テノールのアリア登場→素晴らしい、他の曲も同様。頃安利秀という立派なキャリアの方だった。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/頃安利秀

Du sollt Gott, deinen Herren, lieben 汝の主なる神を愛すべし BWV77
tp登場→tpオブリガートが泣けるアリア、熱演名演tp拍手。

Schauet doch und sehet, ob irgendein Schmerz sei 考え見よ、われらを襲いしこの痛みに BWV46
Halt im Gedächtnis Jesum Christ 死人の中より甦りしイエス・キリストを覚えよ BWV67

オーボエ持ち替えオーボエダモーレも素晴らしかった。アンケートにメアド、住所氏名記入提出。また聴きたい、ライブは素敵。

追記→まだ読んでないけどプログラムが内容充実した小冊子。テレマン協会のは紙ペラ一枚。

昨日も今日もバッハライブ

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昨日は六甲高山植物園で遊んだ後に夜は夙川カトリック教会→テレマン室内オーケストラ。

シュッツ/十字架上の7つの言葉 SWV478,J. S. バッハ/ミサ曲 ト短調 BWV235,
ヘンデル/主は言われた HWV232 
指揮・テノール/新井俊稀 ミュージック ディレクター/延原武春 ソプラノ/浅野純加,中村理子,藤田瑞穂 アルト/伊豆田佑香,塩見典子,三好久美子 テノール/小川 歩,後久義昭,鹿岡晃紀 バス/安藤直人,塩谷宗広,篠部信宏,林 康宏 合唱/テレマン室内合唱団 管弦楽テレマン室内オーケストラ 
http://music-kansai.net/orch06.html

実際の演奏順序はヘンデル→シュッツ→バッハの順だったのでヘンデル好きではない俺も納得。バッハで指揮者の新井俊稀が歌い出したのにはちょっとびっくり×御大延原武春がオーボエ参加。シュッツをライブ鑑賞出来て目も満足。
そして今日は神戸でカンタータ初ライブ。
http://bach-kreis-kobe.music.coocan.jp/images/2017.pdf
昨日も今日もバッハなり。

ところでルドルフ・ルッツ×バッハ財団なる団体の存在をネットで初めて知り録音を見つけた。生きがよくてピチピチしたバッハだ。

興福寺〜馬見丘陵公園/花菖蒲

ジム月例休なので奈良へ。
興福寺国宝特別公開2017 阿修羅 -天平乾漆群像展-(興福寺
http://www.asahi.com/sp/articles/ASK3B7DBVK3BPOMB012.html

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阿弥陀仏と阿修羅その他拝観。
馬見丘陵公園に回って花菖蒲撮影。

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