天井桟敷日記

「天井桟敷からの風景」姉妹版

今日の句会準備

巴里祭阿川佐和子の笑ひ皺
○毎日を男一匹昼寝かな
くちなしや馬齢重ぬる誕生日
○六月や絵と音楽と誕生日
蝦夷梅雨を傘開かずに帰る旅
○六月や美男におはす利尻富士
(席題:麻、紫、青、肉)
○空梅雨や麻布赤坂六本木
更衣紫色で行く銀座
○青き眼の孫を寿ぐ桜桃忌
○更衣出来ぬ私の肉襦袢

 

今日の句会準備

○故郷は焼酎匂ふ路地の奥
○昔々野球少年栗の花
憂きことのなきが幸せ七変化
○緑陰に写生する人思ふ人
名優のサインを飾る夏ヒュッテ
○新緑や空の青さと雲の白
ニュータウン陽射しの中に山法師
出会ふ人皆菩薩様七変化
○薄き毛を愛しみつつレモン水
○走り梅雨名画劇場地下水道
○梅干しや忘れてならぬ事ひとつ
○愛するは音と活字と入道雲

 

 

 

 

 

 

 

13の顔を持つ男-伊丹十三の肖像

先代(東芝)ビデオに録画、眠っていたけど再生して面白かった。

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◆第1章 :「少年・池内岳彦 この父にしてこの子あり」◆ 
少年時代の絵や、父伊丹万作の手作りのカルタなどを紹介。
共に英才教育を受けた同級生や、少年時代の伊丹十三をよく知る野上照代さんの証言などを収録。
◆第2章 :「松山時代そして音楽愛好家の顔」◆
松山で過ごした高校時代の同級生・安西徹雄さんの証言を収録。
『遠くへ行きたい』でバイオリンを演奏する姿も紹介。
◆第3章 :「商業デザイナーの顔」◆
上京し商業デザイナーとして活躍していた時代を紹介。
グラフィックデザイナーの佐村憲一さんが字を図案化するレタリングの仕事を再現。
◆第4章 :「イラストレーターの顔」◆
文藝春秋漫画読本』の電車中吊りポスターの連作を始め、
シュールさと品のよさを併せ持つ伊丹イラストをまとめて紹介。
◆第5章 :「俳優の顔」Ⅰ◆ 
俳優としてデビューした伊丹十三の様々な映像『黒い十人の女』('61)『執炎』('64)
源氏物語』('65)『悪一代』('69)などを一部収録。
宮本信子が語る「出会いのエピソード」は意外性満点。
◆第6章 :「エッセイストの顔」◆
1963年『洋酒天国』に「ヨーロッパ退屈日記」が発表される。
出版社側代表として編集者の新井信さん、読者側代表として建築家・中村好文さんのインタビューを収録。
◆第7章 :「乗り物マニアの顔」◆
愛車を運転する珍しい映像が2つ。他バイク姿やグライダー体験の映像なども収録。
◆第8章 :「テレビマンの顔」Ⅰ◆
1971年『遠くへ行きたい』で制作会社テレビマンユニオンと出会う。
実際の『遠くへ行きたい』の映像の他、映像映画監督・恩地日出夫さん、カメラマン佐藤利明さん、
当時アシスタントだった浦谷年良さん、ディレクター今野勉さんなどの証言を収録。
◆第9章 :「CM作家の顔」Ⅰ◆
西友・全篇フランス語CM』『ナショナル・冷蔵庫のルーツ編』などを収録。
◆第10章:「テレビマンの顔」Ⅱ◆
歴史ドキュメンタリーの名作『天皇の世紀』('73~'74)、『欧州から愛をこめて』('75)などを収録。
◆第11章:「CM作家の顔」Ⅱ◆
『一六タルト・成績編』『黄桜「醇」二役シリーズ』などを収録。
◆第12章:「テレビマンの顔」Ⅲ◆
『万延元年のテレビワイドショー』('76)『驚異のドイツ博物館』('77)『古代への旅』('77)
『アートレポート』('77)など一部収録。
◆第13章:「俳優の顔」Ⅱ◆
円熟期を迎えた俳優業。『我輩は猫である』('75)『もう頬づえはつかない』('79)
細雪』('83)『家族ゲーム』('83)などを一部収録。
◆第14章:「CM作家の顔」Ⅲ◆
『味の素・ビッグママ編』『同・メイキングCM編』『ツムラ・OLはえらい編』などを収録。
◆第15章:「料理通の顔」◆
料理人ぶりが収録された『味の素』のCMを2例収録。
◆第16章:「テレビマンの顔」Ⅳ◆
『アフターヌーンショー』に生出演する映像などを一部収録。
「未解決事件」の犯罪現場をその場で絵に描いて再現していく芸当は驚異的。
◆第17章:「精神分析啓蒙家の顔」◆
伊丹十三に影響を与えた岸田秀さんの証言を収録。
◆第18章:「猫好きの顔」◆
◆第19章:「映画監督の顔」◆
映画『お葬式』に到る顛末、堂に入った監督振りを物語る証言の数々。
キャスト代表の津川雅彦さんのインタビュー。本人自身のコメントも収録。
◆エンディング◆
各出演者にした「伊丹十三を一言で言ってください」との問いかけへのそれぞれの回答。
このDVDのハイライトが放送されたのかなあ?

 

マドリード レアル劇場公演 歌劇 「ベニスに死す」(0:03:00~02:43:00)

プレミアムシアター録画。面白そうなので鑑賞前に予習。

これまでの放送 - プレミアムシアター - NHK

<演 目>
歌劇「ベニスに死す」(全2幕)(ブリテン

<出 演>
アッシェンバッハ: ジョン・ダザック
旅人/年配のだて男/ゴンドラの老船頭/ホテルの支配人/ホテルの理髪師/流しの楽師のリーダー/ディオニソスの声: リー・メルロー
タジオ: トマシュ・ボルシュジェク
アポロの声: アンソニー・ロス・コスタンツォ
旅行社のイギリス人社員/ベニスのガイド: ダンカン・ロック
物乞い: イトシャロ・メントシャカ
ホテルの案内人: ビセンテ・オンブエナ
ガラス職人: アントニオ・ロサーノ
ウェイター: ダミアン・デル・カスティーヨ
レース売りの女: ヌリア・ガルシア・アレス
イチゴ売りの女/新聞売りの女: ルス・イニエスタ
 
<合 唱>レアル劇場合唱団
<管弦楽>レアル劇場管弦楽団
<指 揮>アレホ・ペレス
 
<演 出>ウィリー・デッカー
 
<字 幕>三井章子

収録:2014年12月 マドリード・レアル劇場(スペイン)

ヴィスコンティ映画、原作との比較など為になる記事→加藤邦宏作品ライブラリー: エッセイコーナー

ブリテンのオペラ化に関して、もっともすぐれた着想と思われることがあります。それは、アッシェンバッハにからむ主要な脇役が七人いるのですが、これがすべて一人の歌手によって演じられるというか、歌われるという点です。すなわち、最初にアッシェンバッハに旅情をかきたてる未知の旅人、船に乗りあわせた若作りの老人、ゴンドラの船頭、ホテルの支配人、ディオニソス、ホテルの床屋、流しの音楽家、以上の七人です。
  これらの人物は、アッシェンバッハに執拗につきまとって彼の罪悪感をかきたてたり、彼の欲望をそそのかしたり、彼の神経を逆なでしたりします。これらの脇役はアッシェンバッハの自閉症的な行動を強化する働きをするのですが、異なる配役に同じ顔の人物が登場することによって「またあいつか」という主人公の強迫観念がいやがうえにも高められます。この強迫観念は見ている私たちにも伝わってきます。
  なおオペラに登場するアポロとディオニソスという二人の脇役は、純粋にオペラ用に作られたもので、原作には登場しません。アポロ役は、イギリス伝統の男性アルトが当てられています。

 映画がモノローグを徹底的に排除しているのに対してオペラは徹底した主人公のモノローグで展開されます。実質一時間以上、難曲を歌い続けるのですから、普通のテノール歌手ではとてもこの役はつとまりません。

 予習はとりあえずこの程度にしておく。

第一幕終了。音楽に所々ブリテンらしい才気を感じるけどやっぱり辛気臭いオペラ。

「完璧な美に触れることにより言葉にエロスが宿る」がメッセージとしておく。

 

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明日の句会準備

兼題は「多、空、小」。

日帰りの多摩の湯めぐり夕薄暑
嘘泣きの上手な女山法師
日々修行日々発見や薔薇の雨
憧るる海のありけり薔薇の時
芍薬や悟りに遠くただ歩く
空襲を知らぬ幸せ額の花
毎日を小人閑居大昼寝