人類愛と人生探究の人
今朝もFM録音消化→▽第3変奏 バックハウスのベートーベン ~心の対話を聴く~
伊藤恵
増田良介
東涼子
伊藤恵の話がいつもながら面白い。ベートーベンを評して「世界で一番優しい男」というのが泣かせる。要するに人類愛の人ということだ。ネット検索して同様のことを語っている記事を見つけた。
そんな作曲家が書いた音楽からは「人は意味のある幸せを勝ち取るべきだ」という励ましの声が常に発せられている。ピアニストとして、ベートーベンのこうした強烈なメッセージにどう向かい合い、人々に演奏を通じて伝えていけばいいのか。伊藤さんがたどり着いたのはベートーベンの音楽に満ちている「ドルチェ(優しく、甘く)」という性格だった。「彼の肖像を見ると、髪が逆立って厳しい顔付きをしている。でも私は彼が(楽譜に)書いた『ドルチェ』の箇所を見ると、この人は世界で最も優しい人だと思う」
伊藤恵の言葉の中でもう一つ記憶するべきは「ベートーベンの音楽には哲学がある。人生とは何か、人はいかに生きるべきか等々」。
ベートーベンは東洋思想までをも研究していたということは何かで聞いたことがあるなあと検索したら
また宇宙の根元的啓示が示されている行動哲学書「バガヴァッド・ギーター」は、物質世界に対する執着心を手放し、ブラフマンに帰融する大切さを説いた「神の歌」と訳される叙事詩で、ヒンドゥー教の大切な聖典です。二千年にわたりインド読まれてきたその聖典は、1785年に英訳が出版され、以来ヨーロッパ中に急速に広まりました。その読者の中にベートーヴェンがいたのです。「バガヴァッド・ギーター」から彼が筆写した言葉です。
(略)……そして叡知の中にのみ避難所を求めよ。なぜなら悲惨と不幸は、物事の結果によるにすぎないからだ。まことの賢者は、この世の善悪に思い煩うことはない。それゆえ汝の理性をこのように使う術を習得すべく努めよ。なぜならこのような使い方は、人生における貴重な芸術だからだ。――
「まことの賢者は、この世の善悪に思い煩うことはない。」→善悪を超えた彼岸に人生の真実=無心がある。おお、我が人生方程式にも通ずるなあ。
ラジオ深夜便「身体の安全、心の安心、魂の平安」に触れて人生方程式改訂
— 土曜日 (@doyoubi) 2019年12月3日
人生=心(損得、好き嫌い、善悪、理非、苦楽、美醜)+魂(虚実)
バッハが音楽に込めた祈りは魂の平安だったと思うが、これを更に敷衍すると魂の平安=無心、つまりは祈りは無心になること。https://t.co/WAWFnADb0C https://t.co/stiEuQ95tx
ということでベートーベンは人類愛と人生探究の人。自己中の俺には人類愛はちと荷が重すぎるけど。
12月4日水曜 NHKFM 午後7時30分~ 午後9時15分
バックハウス変奏曲~名盤を通して知る大芸術家シリーズ~ ▽第3変奏
▽第3変奏
▽第3変奏 バックハウスのベートーベン ~心の対話を聴く~
伊藤恵
増田良介
東涼子
「“ピアノ・ソナタ 第6番 ヘ長調 作品10第2”から
“第1楽章”(1964年ウィーンでのライヴ録音)」
ベートーベン作曲
(4分25秒)
(ピアノ)ウィルヘルム・バックハウス
<ANFコーポレイション ANF-31>
「“ピアノ・ソナタ 第17番 ニ短調 作品31第2
(「テンペスト」)”から“第1楽章”
(1954年ニューヨークでのライヴ録音)」
ベートーベン作曲
(8分08秒)
(ピアノ)ウィルヘルム・バックハウス
<ポリドール POCL-3479/8>
「“ピアノ協奏曲 第5番 変ホ長調 作品73「皇帝」”から
“第1楽章”(1961年ルガーノでのライヴ録音)」
ベートーベン作曲
(20分10秒)
(ピアノ)ウィルヘルム・バックハウス
(管弦楽)スイス・イタリア語放送管弦楽団
(指揮)カール・シューリヒト
<ERMITAGE ERM144ADD>
「“ピアノ・ソナタ 第32番 ハ短調 作品111”から
“第2楽章”(1966年ザルツブルクでのライヴ録音)」
ベートーベン作曲
(13分44秒)
(ピアノ)ウィルヘルム・バックハウス
<キング KICC858>
「ピアノ協奏曲 第4番 ト長調 作品58
(1929~30年録音)
(※第3楽章カデンツァ:バックハウス)」
ベートーベン作曲
(31分35秒)
(ピアノ)ウィルヘルム・バックハウス
(管弦楽)ロンドン交響楽団
(指揮)ランドン・ロナルド
<ANDANTE ANDANTE-2996/2999>
「☆(オープニングTM(1))ピアノ協奏曲 第5番 変ホ長調
作品73“皇帝”から 第1楽章(1959年録音)」
ベートーベン作曲
(ピアノ)ウィルヘルム・バックハウス
(管弦楽)ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
(指揮)ハンス・シュミット・イセルシュテット
<ポリドール F30L-20140>
「☆(オープニングTM(2))ピアノ・ソナタ 第7番 二長調
作品10第3 から 第3楽章(1963年録音)」
ベートーベン作曲
(ピアノ)ウィルヘルム・バックハウス
<ポリドール F30L-20131>
「☆(エンディングTM)即興曲 作品142(D935)
第3(1956年ニューヨークでのライヴ録音)」
シューベルト作曲
(ピアノ)ウィルヘルム・バックハウス
<キング KICC859>