天井桟敷日記

「天井桟敷からの風景」姉妹版

音楽は瞬間の煌めきの積み重ね

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阪大ワンコインコンサート「モーツァルト 影の世界」予習。モーツァルト短調の曲をメインとする演奏会。

モーツァルトは数多くの作品を残したが、その多くは長調で書かれている。時に輝かしく、時に雄々しく、、。数少ない短調で秀逸な作品が多い。まるで輝かしい長調の作品だけが本来の自分では無いんだ、聞いてくれ、といっているかのような。
https://sites.google.com/site/concertb252/2017niankonsatosukejuru/hashimotokyoko2017

モーツァルトって空虚な形式美と思い込んでいたが、今回予習して認識転換→瞬間の煌めきに人生の真実を見せてくれる。グルダの弾く幻想曲ニ短調KV397を貼っておく。
https://youtu.be/ESRwx36lvOM

この曲でいちばん私が好きなところは,物憂げな第2部分が終わって,明るく軽やかなニ長調の主題がそっと出てくる「その瞬間」である。数え切れないほどこの曲を繰り返し聴いてきたが,ここのところは何度聴いても感動する。暗から明へのこの瞬間を演出するためだけに,モーツァルト短調の前半部分を書いたのではないかと思われてくるほどである。
http://www.zephyr.dti.ne.jp/~tmiyaji/K397.html

音楽は瞬間の煌めきの積み重ね。だから、聴き手も瞬間に耳を澄ませねばならない。阪大ワンコインコンサートのお陰で大切なものを拾えた。