天井桟敷日記

「天井桟敷からの風景」姉妹版

三層から成る心(唯識三十頌に学ぶ)

テキストは横山紘一「唯識 わが心の構造―『唯識三十頌』に学ぶ」

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謂異熟思量及了別境識

「此能変唯三」=変化せしめるものは3つしかない。その3つというのが,異熟・思量・了別境識である。前ページで「唯三」とは心意識(八識)だといっているので,異熟・思量・了別境識とは…
・心-第八阿頼耶識-異熟
・意-第七末那識-思量
・識-前六識-了別境識

 唯識は輪廻転生を前提にしているのだろうか?チェック転載。

1)因が変化して果が熟す。(変異而熟)阿頼耶識は変化してやまないものである。その変化を結果・原因という概念で捉えるとき,原因が変化して結果が出てくると解釈する。 

2)因と時間を異にして果が熟す。(異時而熟)過去世と現在世にわたる因果,あるいは,現在世と未来世の二世にわたる因果関係を踏まえた変化そのものが阿頼耶識であり,因と果が時間を異にしている。 

3)因と性類を異にして果が熟す。(異類而熟)性類とは価値のこと。仏教では,善・悪・無記(善でも悪でもない)に分ける価値観がある。阿頼耶識そのものは,無記であると考えられる。原因は善あるいは悪ではあるけれども結果は無記である,それが阿頼耶識である(因是善悪,果是無記)。

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唯識 わが心の構造―『唯識三十頌』に学ぶ (新・興福寺仏教文化講座)

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