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天井桟敷日記

「天井桟敷からの風景」姉妹版

人間よ、考えるのだ(死の国の旋律)

重い番組だった。


NHK-FMブログ:NHKブログ | 番組ここが聴きどころ | 辛く悲しい音楽・・・『死の国の旋律~アウシュビッツと音楽家たち』BS2で26日(土)放送

アウシュビッツ強制収容所には、囚人たちのオーケストラが組織されていた。任務は、収容所の運営を円滑にするための音楽の演奏。強制労働の送迎の際には軽快なマーチを、収容者がガス室で処刑されるときは、ことさら明るい音楽を奏でたという。強制労働を免れられるという理由で、志願者が多かったが、メンバーは今も罪悪感に苦しめられている。ナチスへの協力と引き替えに、地獄を生きのびた音楽家たちを描く衝撃のドキュメント。
(初回放送:BShi 2003年11月5日)

番組内容はこちら(無断転載禁止なので引用できない)に詳しいが、テーマは、オーケストラの一員としてなんとか生き延びた女性の罪悪感。上とは別の記事から引用させて頂く。


「死の国の旋律・アウシュビッツと音楽家たち」(BS2)を見て | Langsamer Satz

彼女にとって、それは想像を絶するような辛い体験でした。ある時、「死のブロック」と呼ばれる衰弱した女性たちが収容された棟で音楽を演奏させられた時、彼女たちから「おお、神よ、何と言うことだ!どうしてこんなところで音楽なんか!どうして音楽なんて聴かなくちゃならないんだ!」と罵られることもあった。電車で連行されてそのままガス室へ直行させられるユダヤ人が「オーケストラがあるくらいだからきっとここはいいところだよ」と話しているのが聞こえてきても、演奏を続けなければならなかったのです。

そんな凄まじい体験を経た彼女は、戦後、収容所から開放されてからも、自分だけが生き残ったことを悔い、じっと考え込むようになってしまいました。常に自分に対してこう問いかけ続けていました。「アウシュビッツのあと私はどう生きていけばいいのか。私の人生に、そして世界にどんな意味があるのか。人間に何の意味があるのか。」と。軍服を着た人を見ると卒倒し、強制労働の時に弾かされた「蝶々夫人」の「ある晴れた日に」を聴いただけで卒倒し、人生から音楽はまったくと言っていいほどに消えてしまった。そして、自分の生きる意味とは何なのか、まったく分からなくなってしまった。

また、こんな衝撃的なエピソードもあった。ナチスは、収容者の中から特別作業班を選び、殺戮を円滑化させるシステムも用意していたそうだ。

Field of Dreams: NHKアーカイブス「戦後70年 人間の闇 アウシュビッツ」を観ました。から引用。

彼女の回想の中で、楽団員であった若い女性の話がありました。
若い女性の兄は、同胞をガス室に入れ、処刑した後、遺体から金品となるものをはぎ取って、そして焼却炉に放り込む仕事をしていました。
ある日、その兄から手紙が来ます。短い手紙には、「今日、父と母をガス室に入れました」と書かれていました。若い女性は兄の所行をしって錯乱し、高圧電流が流れる鉄条網に身を投げて自殺を図ろうとしますが、彼女は若い女性を暴打し我に返らせた後に「私たちは(あなたの兄と)何も変わらない」と諭します。同胞を殺して、私たちは生き延びているのだと、と諭します。

兄がどういう意図で妹にこんな手紙を出したか詳細不明だが、アウシュビッツには極限的人間模様の数々があったと想像する。

オーケストラに参加した女性は1958年、意を決してアウシュビッツを訪れる

そこで彼女が見たのは、かつてここに一緒にいた多くの元囚人たちが、一人歩きまわり、じっと考えこんでいる姿でした。それを見た彼女は奇妙な安らぎを覚え、自分に折り合いがつけられ、生きる力がわくように感じられました。そして、戦後13年が経って初めて新しい人生の第一歩を踏み出すことができたのです。

 それでも、彼女はずっと自分の収容所での辛い経験について、かつてのオーケストラ仲間以外の人に語ることはありませんでした。そこに彼女の存在を聞きつけたNHKのプロデューサーが、手紙による粘り強い交渉を続けた結果、彼女はテレビ出演に応じて「証言」をし、そして人生最後(彼女は既に脳梗塞を患い体調があまり良くない)のアウシュビッツ訪問をします。番組は、そうした出来事の周辺で、やはり同じ体験の後遺症に苦しむ他のオケ団員女性2人の姿も映し出しながら進められました。

番組の最後の彼女の言葉を受け止め続けたい。検索して見つけた記事から

 アウシュヴィッツの収容所は、今も、私たちに語りかけています。『人間よ、考えるのだ』と」

イスラム国が後藤健二さんを殺害した模様と伝えられた昨日、エクがアンコールで演奏してくれたハイドン「ひばり」第2楽章を鎮魂歌として聴いた。

使い古された言葉だけれど「熱いハートと冷たい頭脳」で考え続けたい、暴力や殺戮をこの世からなくすためにはどうしたらいいのだろう。


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