天井桟敷日記

「天井桟敷からの風景」姉妹版

第5作「生はいとしき蜃気楼」予告編

哲学小噺癖が治まらない。第4作「我が心の良くて」を発表したばかりなのにもう次回作「生はいとしき蜃気楼」構想に着手している。

このタイトルは偶々FBで出会った茨木のり子「さくら」の一節から頂戴した。

死ぬのは大嫌いなのだが「生はいとしき蜃気楼」と言われると、しゃあないなあ死ぬのもと一瞬思た。詩とは文学とはそして人生とはまことに想像力の賜物である。

 

そこでKindle Unlimited→別冊NHK100分de名著 読書の学校 若松英輔 特別授業『自分の感受性くらい』

この本、以前にも読んだのだが小噺作家を始めた今読み返すと得るところが多い。読むと書くとは大違い、書く立場になって気づくこと多々、まことに人生は経験と想像力の賜物なんやなあ。

そこで、茨木のり子「自分の感受性くらい」全文をコピペさせて貰う。

 

ぱさぱさに乾いてゆく心を

ひとのせいにはするな

みずから水やりを怠っておいて

 

気難かしくなってきたのを

友人のせいにはするな

しなやかさを失ったのはどちらなのか

 

苛立つのを 近親のせいにはするな

なにもかも下手だったのはわたくし

 

初心消えかかるのを

暮しのせいにはするな

そもそもが ひよわな志にすぎなかった

 

駄目なことの一切を

時代のせいにはするな

わずかに光る尊厳の放棄

 

自分の感受性くらい

自分で守れ ばかものよ

 

最後の一節しか覚えてなかった悔しい。ここに全文を記録してたまには拳々服膺しよう。郵便ポストが赤いのも俺のせい、自分の感受性くらい自分で守ればかものよ。

 

ところで

遠藤周作「生活と人生は違う」をこの本をから頂いた。次回作のテーマにパクらさせて貰おう。ありがとう、若松英輔さん。

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佐川美術館 山下清東海道五十三次、楽しめた。まことに人生は鑑賞と経験と想像力の賜物なり。