天井桟敷日記

「天井桟敷からの風景」姉妹版

54年目の初恋 その3

沈黙の和子

あれから1か月経った。電話どころかメール返信も来ない、沈黙の和子。
どうしたんやろ、いきなり「一人暮らしでさみしい」なんて書いたんでヒビってるんやろか。何回メールしても梨の礫。同窓会名簿には住所も電話番組もなく、あるのはメアドだけ。
困り果てて俺は幸代に電話した。高校時代は親しくなかったが年に一度の同学年会に行って言葉を交わすようになった、スナックをやってるから事情通かもしれん。

 

アホやなあアンタ、54年ぶりの突然メールでなんでそんな事をいきなり書くのよ、下心見え見えやんか、この助平ドアホ。まずはどこかの美味しいイタ飯でも誘うのよ、オンナは食い物で釣るのが一番。

 

散々に言われたけどそれなりに調べてくれることを約束してくれた。再来週は同学年会、できるなら是非来てくれと伝えてくれとも頼んだ。逢えるかなあ逢えんやろかなあ。