ショスタコの正しい聴き方
今朝はFM録音が溜まっているので
N響定期演奏会。トゥガン・ソヒエフの指揮でロシア物。バラキレフ「イスラメイ」、ラフマニノフ「パガニーニの主題による狂詩曲」、チャイコフスキー の交響曲第4番。変な喩えだが「みっしりアンコが詰まった鯛焼き」のよう。ソヒエフは以前「幻想交響曲」も聴いたが、チャイコの重厚さが本領か。
— 南西堂 (@nanseido) 2019年10月19日
解説は一柳冨美子←この人の話は面白いので謹聴。ツィッター検索もしたら
#名フィル435 プログラム冊子の音楽学者・一柳冨美子さんの刺激的&挑発的なエッセイ「ショスタコーヴィチの正しい聴き方」を読んで驚愕!!
— 愛知の真空管おやじ (@daikunoi) 2016年5月21日
「二枚舌」が全くの誤りだなんて!! 俄かに信じがたい。
名フィルさんは"確信的"彼女に依頼したのですね。今後の議論の深まりを期待します。
なんとな!ショスタコ二枚舌説を信じているショスタコファンとしては聞き捨てならぬのでラフマパガニーニをBGMに諸々検索して見つけたぞ。
たとえば、有名な第5番。以前から第1楽章のフルートの旋律が「カルメン」に似ていると指摘されてきたが、その謎を解く鍵は1934~35年に愛人関係を結んだエレーナ・コンスタンチノフスカヤという女性の存在だというのが、一柳さんの説だ。
エレーナ(愛称:リャーリャ)は36年、密告により投獄されるが、同年末にスペインに渡り(人民戦線への支援か)、現地の著名な映画監督ロマン・カルメンと結婚する。「8歳年下の美しくて知的な女子大生リャーリャに恋の炎を燃やしたショスタコーヴィチは、結局失恋するのだが、彼女への想いが断ち切れずに、結婚後の苗字『カルメン』に彼女を象徴させて、第5番にその想いを盛り込んだのである」というのが結論部分。第4楽章コーダのラ音の連続も「リャーリャ」への思慕だという。昨年、東京藝術大学で開催されたシンポジウムで彼女がこの見解を唱えたときには驚かされたが、なるほど作曲者自身の「自伝的作品という解釈はある程度あたっている」という説明と辻褄があう。
そうか、ショスタコ5番は恋唄だったのか成程とも思うのだが亀山郁夫などが唱える二枚舌説も捨てがたい。そしてまたどっちでも何でもええやんとも思う。作家の意図から作品は独立して聴かれるべきもの→もっと言うと聴き手の勝手と考えるからだ。