一滴の水
録画していたららら、今回は頗る面白かった。
ピアニスト仲道郁代が熱く語るベートーベン ピアノ・ソナタの魅力。(1)スペシャル・メドレー(2)「月光」の響き生み出すペダル(3)「悲愴」のモチーフ七変化
とりわけ仲道郁代の発言が参考になったので他人様のツイートを貼らせて頂く。
だからといって四角四面に弾くとおもしろくない。論理と感情のバランスをどのように弾くのか苦労した。論理と感情がせめぎ合って、最大限の状態で組み合わさっているのがベートーベン。それをちゃんと分析して、論理を感情に変換する作業をしないと弾けない」と話されていた。
— カマド (@kamadoSkate) 2019年6月1日
ベートーベンのPソナタは「論理と感情のせめぎ合い」というのが言い得て妙。バッハは神=ロゴスに捧げる音楽、モーツァルトはミューズの戯れ=形式美などと連想してもたが、そもそも夏目漱石草枕。
山路を登りながら、こう考えた。
智に働けば角が立つ。情に掉させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。
つまりは世の中なべて智と情のせめぎ合いなのだからベートーベンPソナタが名曲なのも当然だ。
そして昨日のもうひとつの収穫は
作家の小野正嗣さんは、この作品が、大江が自らの知性と体験の全てを傾けて、既成の宗教によらない、現代社会における「祈り」「魂の救済」の可能性を描こうとしたものだといいます。
こちらも他人様のツイートを貼らせて頂く。
#100分de名著「本当に魂のことをしようとねがう者は、水の流れに加わるよりも、一滴の水が地面にしみとおるように、それぞれ自分ひとりの場所で、『救い主』と繋がるよう祈るべきなのだ。(#大江健三郎 #燃えあがる緑の木)」
— 合氣道練心館道場 (@aikidorensinkan) 2019年9月25日
名言です。練心館もそれぞれにとっての「ひとりの場所」でありたいです。(館)
「一滴の水が地面にしみとおるように」がいいなあ。大河どころか小川にも参加する気は全くなく「自分ひとりの場所」をセコく暮らしている俺を正当化してくれる言葉だ。
智と情のせめぎ合いのこの世を自分ひとりの場所て毎日寝起きする。生きちょるだけで丸儲けやもん。