天井桟敷日記

「天井桟敷からの風景」姉妹版

小津安二郎「東京暮色」

小津安二郎最後のモノクロ作品。

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淡々とした展開、暗い内容にめげて途中放棄してもよかったのだが、未見小津映画なので辛抱、何日もかけて分断鑑賞。ラスト30分になってようやくドラマチック、見応えを感じた。人は皆、自分ではどうしようもない事情を抱えるものだが何かを支えに生きるべしとラスト原節子が教えてくれた。


上手にまとめているAmazonレビューをコピペしておく。


小津安二郎監督の映画の中では、主人公の一人に最後まで光が与えられなかったという点で、異色。有馬稲子が演じる娘は、自分が抱えている問題を父、姉に打ち明けられない。二人とは住んでいる世界が異なる。姉は、夫との不仲の為、子供を連れて実家に帰っている。唯一打ち明けられそうな存在は、父の留守中家族を捨てて他の男と出て行った母親なのだが、何故か、小津はこの2人の心を通わせるという展開にしない。娘は事故で死んでいく。この映画では、家族の中心人物で、家庭をまとめているはずの人が出てこない。最後に、娘の姉は、不仲な夫のもとに戻る決心をする、というのが微光。

小津安二郎の他の作品のネガ写真のような映画でした。小津を理解する為に、見たら良い映画です。