華麗なる激情
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原作はミケランジェロの生涯を描くアーヴィング・ストーンの伝記小説 The Agony and the Ecstasy(苦悩と恍惚)。ユリウス2世の命を受けたミケランジェロがシスティナ礼拝堂のフレスコ画制作に挑む姿を通して、芸術家の苦闘を正攻法で描く。手元を照らす電灯や機械設備のない時代に、蝋燭の灯りと天井に張り巡らされた木の足場を頼りに、寝転がっての絵画制作はさぞかし困難だったと思われる。その難行苦行は、原題通りの The Agony and the Ecstasy(苦悩と恍惚)にほかならなない。それが日本公開時に「華麗なる激情」となったのはどういうわけか…。
チャールトン・ヘストンが歴史劇で培った豊富な経験を活かして見事な演技を見せる。ユリウス2世の執拗な催促にも、己の理想に従い妥協を許さないミケランジェロの芸術家魂。そして、さらに素晴らしいのがレックス・ハリソン。教皇軍がフランス軍に敗北し、負傷したユリウス2世がミケランジェロと語り合うシーンでの「歴史に残るのは武功ではない」という言葉はこのドラマの核心を衝いている。