天井桟敷日記

「天井桟敷からの風景」姉妹版

阪大ピアノの会 <もう一つの選択>

昨日の阪大ワンコインは
阪大ピアノの会 <もう一つの選択>

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音楽を学びながらも、音楽大学に進学せずに普通大学に進学して将来の職能を身につけ、また物事を深く考える思考能力を音楽以外の世界によって自らの中に育てている学生たちがいる。しかしピアノを捨てることなしに情熱を持って音楽を続けている学生たち。音楽と自分の専門性。複合的な視座から聞こえて来る音に耳を澄ます。5人の演奏者のジョイント・リサイタル。プログラムは彼ら5人が議論を尽くしたもの。
森本 恵一 L.V.Beethoven Sonate für Klavier Nr.23 "Appassionata" f-moll Op.57 ベートーヴェン ピアノ・ソナタ 第23番「熱情」ヘ短調
堀尾 佑治 F. Liszt Legend No.2 “St. Francois de Paule marchant sur le flots” S.175, Etudes d'execution transcendante "Mazeppa" d-moll S.139 リスト 2つの「伝説」より第2曲 波の上を渡るパオラの聖フランチェスコ S.175、 超絶技巧練習曲第4番 マゼッパ S.139
辻 愛美 M.Ravel “Ondine” Gaspard de la nuit, Jeux d'eau, Miroirs: IV. Alborada del gracioso ラヴェル 水の戯れ、「夜のガスパール」よりオンディーヌ, 「鏡」より第4曲 道化師の朝の歌
金 道賢 Chopin Nocturne No. 8 in D Flat Major op.27-2, Chopin Variations Brillante op.12 ショパン ノクターン 第8番 変ニ長調 op.27-2、ショパン 華麗な変奏曲 op.12
西山早紀 A.Scriabin Prelude Op.11-1, 4, 6, 10, 11, 17, Etude Op. 42-5, Sonata No.9 “Messe Noire” Op. 68、スクリャービン 前奏曲 作品11より第1番、第4番、第6番、第10番、第11番、第17番、練習曲 作品42-5、ピアノ・ソナタ 第9番「黒ミサ」Op.68
https://sites.google.com/onecoinconcertforall.com/occa-japanese/受付中のコンサート/阪大ピアノの会もう一つの選択
5人のピアニストが同じピアノを弾いたのだが、タッチも音色も違う。リストを弾いた人は上手かったなあ、あまり好みではないリストを聴かせてくれた。それからスクリャービン 黒ミサ、演奏前に構造分析解説をしてくれた。アシュケナージ録音をSpotifyで見つけて何回か予習したのだがチンプンカンプン、昨日は解説とライブ←音楽が眼でも見えるお陰でわかったつもりになった。
ところが今朝、アシュケナージ復習してみるとチンプンカンプンより少しマシ程度。神秘主義スクリャービン は矢張り鬼門であった。

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よって初心者がスクリャービンの後期ソナタに挑む場合(演奏にしろ、鑑賞にしろ)、当曲は最適なのです。もちろんスクリャービンの後期ソナタはいずれも演奏、内容共に難解ですが。
 またこのソナタは、性行為そのものであるとの評価も一部でされています。本当にそうだったのか、というのはまた別として、とっつきやすいという意味でこのイメージは悪くないと思います。確かにテンポを上げ、最終的に法悦の大クライマックスへと至る過程は、性行為におけるピストン運動の昂ぶりのように感じられなくもありません。それが正しいかどうかより、そうすることで音楽への理解が容易になるならば、そういった想像は大いに膨らませるべきでしょう。
http://www7a.biglobe.ne.jp/~hainn-hitorigoto/m-163scriabin.html