天井桟敷日記

「天井桟敷からの風景」姉妹版

天国=老年的超越

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新聞で「老年的超越」なる言葉を見つけてオモロそうやなあとネット検索。

100歳に近くなると、女性では、半分ぐらいが寝たきりで、3~4割は要介護の状態となります。本当に元気な人は1割ぐらい。しかし、ほとんど家の中で過ごさなくてはいけなくても、60代、70代の人であれば悲観するのとは対照的に、80代以降になってくると、幸福感が高まっていくことがわかってきました。否定的と肯定的、両方の刺激を与えても、肯定的なことしか覚えていないのです。

――そういう状態を「老年的超越」と言うのですね。
はい。何歳から、というものではなく、年を取るにつれて次第にそういう気持ちが強まっていきます。60代より70代、70代より80代、と高まっていきます。

元々は、スウェーデン社会学者、ラルス・トルンスタムが1989年に提唱しました。85歳を超える超高齢者になると、それまでの合理的、分析的な価値観から「宇宙的、超越的なもの」に変わっていくということを言い、以下のような特徴をあげました。

①思考に時間や空間の壁がなくなり、過去と未来を行き来するようになる。死の恐怖も薄れていく。
②自分の欲求や健康に対するこだわりが低下し、他者を重んじるようになる。
③過去に持っていた社会的や役割が地位に対するこだわりがなくなり、交友関係が狭くなっても、限られた中で深い関係を結ぶようになる。一般的な価値観を重視しなくなり、本質が分かるようになる。

同じ頃、発達心理学者のエリクソンは赤ちゃんから60代前半ぐらいまでの心の発達を見て「8段階まである」と言っていたのですが、1997年に亡くなる直前、その先に「9段階目がある」と予言しました。寿命が延びていくとともに、80代以降の精神世界が注目されるようになってきたのです。
http://globe.asahi.com/feature/side/2018011700001.html

合理的、分析的な価値観から宇宙的、超越的な世界観への転換かぁ、老年的超越って、言うならば悟りやなあ。
悟り=私は青空
http://doyoubi.hateblo.jp/entry/2017/11/27/054803
は観念的、こっちの方が具体的、なによりも歳をとることに希望が湧いてくる。
そこで、この言葉を胸にしながらバッハのカンタータ第157番『我はあなたを離さじ、我を祝福し給うまでは!』を聴く。

Ei, wie vergnügt
ああ、心楽しく
Ist mir mein Sterbekasten,
わたしは寝棺に横たわることだろう、
Weil Jesus mir in Armen liegt!
エスがわたしの腕の中で寝ておられるから。
So kann mein Geist recht freudig rasten!
だからわたしの霊は喜びに満ちて休らうことができる。
http://okimideiko.blog.fc2.com/blog-entry-1020.html?sp
キリスト教のこんなイエス賛美をアホらしいと切り捨てたりせずに、ああ、天国を歌ってるんやと素直に聴けるような気がしてきた。
目指そう、老年的超越。こころのなかにつくろう天国。