ビーバーのロザリオのソナタ集
今週の古楽の楽しみ、担当は鈴木優人。この人の担当の回は面白いプログラムが多いが、今週はビーバーのロザリオソナタ集。
「ロザリオ・ソナタ」は別名「ミステリー・ソナタ」とも呼ばれ、多くの謎と神秘、そして底知れぬ魅力をもつ。
ヴァイオリンによる宗教大作であるこの曲は、受胎告知からキリストの受難と復活を経て聖母マリアがキリストによって戴冠されるまでを描いた壮大なもの。
それを声楽抜きでヴァイオリンと伴奏鍵盤楽器だけで描写するという野心作である。
作品は全部で16曲からなる。
15の合奏ソナタと無伴奏ヴァイオリンによるパッサカリア。15のソナタには明らかな表題はついておらず、それぞれの楽譜の楽曲表示の前に小さな木版画が貼り付けられている。それらは聖母マリアの生涯における15の秘蹟を表している。すなわち、
第1番 「受胎告知」/
第2番 「エリザベツ訪問」/
第3番 「キリスト降誕」/
第4番 「イエスの拝謁」/
第5番 「神殿のイエス」/
第6番 「イエスのオリーヴの山で苦しみ」/
第7番 「鞭打ち」/
第8番 「いばらの冠をのせられ」/
第9番 「十字架を背負う」/
第10番 「磔刑」/
第11番 「イエス復活」/
第12番 「イエス昇天」/
第13番 「聖霊降臨」/
第14番 「聖母マリア被昇天」/
第15番 「聖母マリアの戴冠」/
http://www.aria-cd.com/arianew/shopping.php?pg=label/biber
これらの曲を様々な演奏家による演奏で聴かせてくれる。月曜放送の第1回はWi-Fi不通騒動のため聴き逃したが、第2回を聴いて面白かったのでSpotifyでレイチェル・ポッジャーの録音を見つけた。
器楽のみによる受難音楽なんだけど、そんなことにこだわらなくても聴ける。バロックの重厚な音楽はバッハに限らないと実感した。
そうそうポッジャーもあんまり知らないなあ。ウィキに項目なし、プレコンバロックなる団体を率いてフーガの技法を録音したんだって。これも聴きたいな。