天井桟敷日記

「天井桟敷からの風景」姉妹版

ムッェンスク郡のマクベス夫人

f:id:doyoubi92724169:20170711061814j:imageBSプレミアムが放送したショスタコ問題作「カテリーナイズマイロヴァ」を昨日、時折居眠り×ネット検索しつつテレビ鑑賞。

「ムッェンスク郡のマクベス夫人」が1934年初演当時原題→話題人気作だったが、スターリンが観に来て立腹途中退席→二日後にプラウダが「音楽にかわり荒唐無稽す」と批判→ショスタコ以下関係者皆戦々恐々、上演自粛、ショスタコは一見愛国的交響曲5番を発表して名誉回復、粛清から辛うじて逃れることができたというもの。

ムツェンスク郡のマクベス夫人 (オペラ) - Wikipedia

 

濃厚性描写や警察当局風刺、舅殺し夫殺しの果てに主人公は流刑地で愛人が手を出した女囚まで殺しで死ぬという救いのない暗いオペラ、録画永久保存したけれど多分もう見ないだろうなあ。これが当時人気になったというのだからスターリンがこの作品に反道徳、体制批判を感じたのも当然かも。

そして、スターリン1953年死後、表現やセリフを大幅に緩和手直し、題名を「カテリーナイズマイロヴァ」に変えて上演出来るようにしたのが1963年。更にロストロポーヴィチショスタコ1973年没、遺志を受けて初演原典版スコアをワシントンDCで発見→「ムッェンスク郡マクベス夫人」初の全曲録音1978年。これはアップルミュージックにあり
http://classic.opus-3.net/blog/?p=14064
マリア・ユーイング主演でチョンミュンフンが録音しているのもあり
http://www.suruga-ya.jp/product/detail/230006610001
これはビデオがあったらユーイング見たいけどなし。

ということで再鑑賞するなら原典「ムッェンスク郡のマクベス夫人」、まだ見ぬものへの憧れは続くのだ。写真はマリア・ユーイング、妖艶なサロメをテレビで見た記憶あり。