天井桟敷日記

「天井桟敷からの風景」姉妹版

バッハとマーラー、没我と自我

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カンタータBCJ巻20復習→先日初聴時は起伏陰影ドラマがないなどとイチャモンつけたが今回はさにあらず、素直な聴けた。バッハは要するに没我、南無阿弥陀仏と生かされていることをひたすら感謝しているのだ。浄土教妙好人のごとく仏に素直に感謝する信心と思えばいい、それをイチャモンつけてはならぬのだ。

カンタータ対訳ドイツ語を拾いながら聴いていたら、昔学生時代、名曲喫茶カッコウつけて散々聴いたマーラー大地の歌」を思い出した。
そこで歌詞対訳
http://www.tokyo-harusai.com/news/news_730.html
を見つけて思い出のクレンペラーを聴く。

オットー・クレンペラーの指揮したフィルハーモニア管弦楽団(名称変更の時期を挟んでしまったため、後半のセッションはニュー・フィルハーモニア管弦楽団)とのマーラー大地の歌」のディスク。生真面目で純文学的な演奏で、極めて特徴深いが、一度聴いたら耳から離れないような好演だ。ことに、レコーディング終了後に事故死してしまったというテナーのヴンダーリヒの独唱が凄い
。もちろん、若きクリスタ・ルートヴィヒの歌う終楽章のぞっとするような静謐さを含んだ歌唱も素晴らしいが。……また、録音の良いことも驚くべきディスクであることを付け加えたい。
マーラー:交響曲大地の歌https://www.amazon.co.jp/dp/B00005Y14B/ref=cm_sw_r_cp_api_vUO7yb5MWB0M8

意味は殆ど分からないがドイツ語歌詞をきちんと拾えた。言葉を聞き取れば音楽の受け止め方も違ってくると実感しつつもやっぱり終楽章、切々たるものがある。

この世に別れを告げる際に自我はかぐわしき大地を賛歌するのだ。