「ペレアスとメリザンド」デュトワN響
歌劇「ペレアスとメリザンド」(ドビュッシー作曲)ゴロー/ ヴァンサン・ル・テクシエアルケル/ フランツ・ヨーゼフ・ゼーリヒイニョルド/ カトゥーナ・ガデリア医師/ デーヴィッド・ウィルソン・ジョンソンメリザンド/ カレン・ヴルチジュヌヴィエーヴ/ ナタリー・シュトゥッツマン合唱:東京音楽大学管弦楽: NHK交響楽団指 揮:シャルル・デュトワ
収録:2014年12月5日 NHKホール
殆ど無知なので解説を転載。
シャルル・デュトワ(指揮) NHK交響楽団 《ペレアスとメリザンド》演奏会形式 | WEBぶらあぼ
歌劇《ペレアスとメリザンド》には独自の「2大特徴」がある。一つはテーマが「寂しさ」であること。オペラと言えば刺したり呪ったりのイメージがある中で、この傑作を支配するのは、家族にすら理解されない「心の寂寥感」なのだ。
悲劇は、アルモンド王国に迷い込んだ謎の女メリザンドが、夫で王子の中年男ゴローには馴染めないのに、彼の異父弟ペレアスにはあっさり心を許すところから始まる。二人の無邪気な絆に苦しむゴロー。猜疑心に囚われた彼は、やがて弟を刺し殺してしまい…。そう、実は本作も愛憎の物語に他ならない。でも、フランス語の繊細な抑揚と印象派ドビュッシーの柔和な音作りが、ドラマの凄惨さを深く覆い、舞台に哀感のみを漂わせる。出産したメリザンドが亡くなる終幕でも、王子たちの祖父アルケル王が「今度はこの赤子の生きる番だ」と呟くが、恐らく作曲者が最も伝えたかったのは、それに連なる10小節の後奏の響きだろう。透明感ある長調のハーモニーが、全ての苦しみを浄化して幕を下ろすからである。
そして、もう一つの特徴は「プロ中のプロが取り上げるオペラ」であること。
演奏会評をひとつ。
僕にとってこのオペラは不思議娘のメリザンドで決まります。好きなタイプのメリザンドがあるのですがフレデリカ・フォン・シュターデがあまりにはまりで、なかなか浮気ができずにおります。
今日の当役はカレン・ヴルチ。きいたことがありません。経歴を見ると「パリ高等師範学校で理論物理学の専門研究課程を修了」です。アルモンド王国でロケット開発でもするんかいとイメージが狂います。
しかし大外れでした。女性はそのものが不思議なんです。泉の水のように澄んだ声と完璧なピッチ。古典も現代曲もいけてしまうだろう究極の音楽美です。たしかにちょっと知的ではあるが、メリザンドは決して馬鹿ではなく「嘘をつくのはゴローにだけよ」という面がある。大変なクオリティの歌唱を生で聴けた僥倖に感謝するしかありません。彼女の歌は全部聴くことに決めました。
#photoikku 欲しきもの運鈍根や福寿草 #jhaiku 熱海梅園に来たけど駐車場満車。姫の沢公園散策して発見。 pic.twitter.com/7Mr2Ly2Qqo
— 土曜日 (@doyoubi) 2015, 2月 12
同じく姫の沢公園の大馬鹿門。