天井桟敷日記

「天井桟敷からの風景」姉妹版

「野火」1月号投句

消しゴムはもうありません秋の暮
遊び人瞑想に凝る文化の日
自己を知る我を忘れるとろろ汁
秋空や神の描きし抽象画
廃屋や芒セイタカアワダチソウ
ひつそりと街角アート十三夜
喜味こいし夢路いとしや秋惜しむ
泣く女笑ふピカソや秋の風
鰯雲四角四面が好きな人
十月や忘れ物また忘れ物

今日の句会準備

兼題は「苦、色、菊」

◯枯菊や海おだやかに照る朝日
秋深し宇宙線にも重さあり
気仙沼雲のあはひの朝曙光
馬肥ゆる食べ尽くしたる皿の数
◯秋の色朝飯前の魚市場
消しゴムはもうありません秋の暮
喜味こいし夢路いとしや秋惜しむ
◯苦虫や瞑想に凝る文化の日
◯泣く女笑ふピカソや甲斐の秋
鰯雲四角四面が好きな人
◯十月や忘れ物また忘れ物

野火12月号投句

◯ラブホテル清水港の星月夜
◯零点の答案拾ふ天の川
子規の忌や電子ブックを読む孔子
◯アイフォンに綴る日記や草の花
老眼鏡曇りしままの月見かな
◯名月や子供の好きなオムライス
秋霖や人より多き神の数
◯秋の暮みんな仲良く歳をとる

 

明日の句会準備

兼題は「野、横、痛」。

◯万葉の多摩横山や赤蜻蛉
◯生理痛終えて寂しき夜長かな
手荷物は背中の孤独草の花
俗の世のタワーマンション月を待つ
友だちはテレビとスマホ花野ゆく
◯子規の忌や電子ブックを読む孔子
◯精一杯あたし生きます月の影
◯アイフォンに綴る日記や草の花
賑やかに最後はひとり秋の暮
人並に月見月並普段着で
◯老眼鏡曇りしままの月見かな
◯ジェラシーや野原一面曼珠沙華
門残る廃校跡地彼岸花
◯名月や子供の好きなオムライス

 

 

今日の句会準備

兼題:豊、露、仁 ◯敬老日池田澄子の人生論 金木犀出せぬ手紙のニ十通 生涯を寅を心に春さくら ◯憧れの加山雄三星月夜 ◯邯鄲や家系途絶えし豊太閤 ◯露の世をテレビ番して日が暮れる ◯秋長雨私は夜叉になりました ◯仁義なき男を愛し柿しやぶる 馬肥ゆる若葉マークの高級車 紅葉のスーパー歩く万歩計 ◯秋霖や人より多き神の数 ◯秋の暮みんな仲良く歳をとる

「野火」11月号投句

◯八月や私の町の青い空
梨齧るしようもないこと考へる
◯秋の夜の日活ロマンポルノかな
◯秋風や女と暮らし四十年
引き出しの底の歌麿秋時雨
蜩や頑固律儀の片想ひ
◯桃買ひにユーミンと行く中央道
◯秋刀魚焼く快気祝ひのコップ酒